ロシア大会と迷子の人形２ ページ15
ピチットからもらったお守り人形を失くしたAは自分が通った道を探すが、
一向に見つからず、時間だけが過ぎていく。
「一体…どこに落としたの…」
その時、携帯が着信を知らせる為に震えた。
着信の相手はピチットだった。
「…はい」
「A？もうすぐだよね。僕中継見ながら応援してるね」
明るい声のピチットの声にAはお守り人形を失くした罪悪感が募る。
「ピチット、あのね…」
「ん？」
「…なんでもない。ありがとう。頑張るね」
失くしたことを言おうとしたが、Aはやめた。
電話を切ると今度はジョンからの着信だった。
「A、今どこにいるんだ？女子シングル始まるぞ」
「うん…」
ジョンからの知らせを聞いて、Aは電話を切ると、時間を確認する。
「もう行かなきゃ…」
「ユーリ、女子シングルは見ないの？」
「興味ない」
「そっ」
女子シングルに出場するリンクメイトのミラ・バビチェヴァの言葉を冷たくあしらったユーリが裏に引っ込もうとした時だった。
小さな人形のストラップが隅っこにポツンと落ちていた。
恐らく気づかない人々に蹴飛ばされてここまで飛んできたのであろう。
『紐で作った小さな人形のストラップしらない！？』
「これ、あいつが言ってたやつか」
ユーリはそれを拾い上げて、「こんな薄汚れたやつの何がそんなに大切なのか」と呟いた。
思い出されるAの必死な形相。
「チッ…」
ユーリは舌打ちをして人形をポケットに入れた。
「A？大丈夫か？」
自分の番を直前に控え、Aはジャージを脱ぐ。
浮かない表情のAにジョンも心配だった。
「ユーリ？」
自分の横を通りすがって行ったユーリにミラは驚く。
「おいブス」
ユーリはAに拾ったお守り人形を突きつける。
「これ、お前が言ってたやつだろ。偶然とは言え見つけた俺に感謝っ…」
Aはユーリに勢いよく抱き着いた。
「ありがとう！！」
強く抱きしめられたユーリは「おい！離せブス！」とAを引きはがそうとするが、
Aはひたすら「ありがとう！」と連呼する。
ようやく落ち着いたAはユーリから離れてお守り人形を受け取る。
「ちゅっ…」
そしてそのお守り人形にキスをしてジョンに預けると、嬉しそうな顔でリンクに出て行った。
名無しA
ＳＰ結果 パーソナルベスト更新 ３位
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鈴(プロフ) - 雪巴さん» 初めまして！コメントありがとうございます！昔スケートやってらしたんですね。滑っている文とかで至らない所もあると思いますが、楽しんで頂けるように頑張ります。 (2016年12月28日 16時) (
レス) id: c94c726e60 (このIDを非表示/違反報告)
雪巴 - ピチット君かわいい〜//// いつも楽しく読んでいます。私昔スケートやってたので夢主ちゃんやピチット君が滑っている文も夢主ちゃんがピチット君のことを考えている文もドキドキしていますこれからも頑張ってください。ピチット君愛してる (2016年12月27日 19時) (レス) id: fd274c24e7 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - なっぷんさん» はじめまして。コメントありがとうございます！毎回キュンキュンしていただけてるなんて嬉しいです。自分もなんとか仲直りさせることができて安心です（笑）これからも楽しんでいただけると幸いです。 (2016年12月21日 23時) (レス) id: c94c726e60 (このIDを非表示/違反報告)
なっぷん(プロフ) - いつも楽しく読んでます！こんな私がコメントしてもよいのだろうか…と思い、いつも踏みとどまっていたのですが今回、コメントを送らせていただくことにしました！毎回キュンキュンしてます笑二人が仲直りしてよかった！これからも頑張ってください！ (2016年12月21日 1時) (レス) id: b49a9d220c (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - Mr. Nàpoliさん» はじめまして。一番好きだなんて恐縮です！ありがたいです！！楽しんで頂けるように頑張っていきます！！ (2016年12月20日 23時) (レス) id: c94c726e60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十五
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時：2016年12月12日 1時
