【ユーリ!!!on ICE】マーメイドの太陽

アメリカ大会と緊急事態 ページ44

グランプリシリーズ

ファイナルをかけての最初の予選はアメリカ大会である。




「うわー相変わらず人すげぇな」

ジョンとAとAの母はアメリカ大会の会場に訪れていた。

目的は選手の応援＆視察的なもの。


「着いたってレオに連絡しとこ」

「A、お母さん電話に出て来るね」

ジョンは友達でありアメリカ大会に出るレオ・デ・ラ・イグレシアにメールを打ち

Aの母はかかってきた電話に出る為その場を離れた。


その間、Aは受信箱にある前日に届いたメールを見る。


【僕頑張るから見ててね！】


その文章と可愛らしい絵文字がつけられたピチットからのメールだ。

脳内に嬉しそうに笑うピチットの顔が浮かび、Aはクスリと笑った。


「何ニヤついてんの」

「うるさいな」

Aとジョンが小突き合っていると、そこへAの母がフラフラとやってきた。


「お母さん？」

「A…どうしよう…お父さんが仕事中…大怪我したって…」

「えっ…」

母の言葉にAとジョンも目を見開く。


「A…どうしようっ…」

「お母さん、落ち着いて」

Aは取り乱す母の肩を抱き、携帯を取り出した。









「あれ…Aがいない」

ＳＰが始まる前、ピチットは観客席からAを探すが、見当たらない。

携帯を見るとメールが受信されており、中を確認するとAからだった。



【ごめん。急用で見に行けなくなった】



「レオくんの友達なんて？」

「ジョンは見るみたいだけど、Aは遠慮するって」

近くのレオとグァンホンの会話が聞こえ、ピチットは二人の所に駆け寄った。


「やっぱりA来ないの？」

「Aの父親が仕事中に怪我して病院に運ばれたらしい。

　それでAと母親が急遽そっちに向かったみたいで。

　アメリカ国内ではあるみたいなんだけど、ここから飛行機使わないといけない所だから今日は見れないって…」








「えっ！？Aとママどうしたの！？」

右足にギブスをつけただけでそれ意外は元気そうな父親に

Aと母は「は？」と声を出した。


「大怪我…したんじゃ…」

「片づけの時に舞台から落ちて右足折っただけだよ。

　まあ、皆びっくりして大騒ぎしてたから大げさに伝えられたのかな。ハハハッ」




「こんのバカ！！！どれだけ心配したと思ってるの！！！」


今にも噛みつきそうな母親の剣幕に父親の顔は真っ青になったそうだ。

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