【ユーリ!!!on ICE】マーメイドの太陽

四大陸アイスダンス結果 ページ32

「得点は１８１・６８。パーソナルベスト更新で３位です」

表示される得点にAとジョンは抱き合って喜んだ。


「んー…まだ終えてないカップルから考えて…良くても４位って所ね」

Aの隣に座っているキャリーは顎に指を添えてそう言った。


「んなのまだわかんねぇじゃん。３位のままかもよ」

ジョンの言葉にキャリーの目がギラリと光る。


「甘い。大体疲れてくるとジョンは動きが乱暴になるから、

　それをカバーする為の選曲でもあったのよ。

　そんなジョンの乱暴な動きに合わせることができるのもAだけよ。

　それと、Aはまたいつもの所でタイミングがズレそうになったでしょ。

　Aはそこが苦手なのは知ってたけど、

　ジョンのリードがなかったらちょっとのズレで折角のダンスが台無しになる所だったわ。

　お互い反省して感謝し合うことね」


「はーい…」

「へーい…」


Aはジョンに余計な事を言うから説教タイムになったという意味を込めて小突くと

ジョンも悪かったな。という返事をするように小突いた。


２人の結果は次の組に点数を抜かれ、キャリーの言う通り４位となったそうだ。









「あー…メダル逃したー…」

「練習頑張ろ」

そうぼやくジョンを連れ、Aは客席から男子ショートを見に来た。


「あ、ジャンだ」

「そいつはどうでもいい」

ファンサービスをしているジャンに冷たい目をしているAに

ジョンはニヤリと笑う。


「そうだよな。Aの目当てはピチットだもんな」

「は！？違うし！ピチットが見て見てうるさいから仕方なく…」

「顔赤いぞ」

「これは寒いからだし！！」


ガルルルと今にも噛みつきそうな勢いのAにジョンは危険を感じ、

「あ、男子ショート始まるぞ」と話を逸らした。


第１滑走は韓国代表のイ・スンギルだった。


すべり終わった後のスンギルの歓声は半分以上が女性の黄色い歓声だった。

「Aの幼馴染のモテ具合相変わらずすごいな」

「はぁー…今日のショートすごくかっこよかった」

あのAも珍しくウットリしていた。



演技が終わり、投げ込まれたプレゼントを持って戻ろうとするスンギルにAは手を振ると、

スンギルも気づいたようで小さく手を上げて、リンクサイドへ戻った。



「あ、次ピチットみたいだぞ」

リンクに投げ込まれたプレゼントがすべて回収され、

ピチットが姿を現した。

ピチットのギャップ→←魔王

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