【ユーリ!!!on ICE】マーメイドの太陽

アジアの幼馴染１ ページ27

「あ、A」

一人のアジア人男性に名前を呼ばれ、Aも

「あ、スンギル」

とその人物の名前を呼んだ。



「久しぶり」

「久しぶり。大会出るの知ってたから会うとは思ってたけど」

「意外と早かったね」

Aはスンギルという男性に駆け寄り、嬉しそうな表情を浮かべる。


ピチットはAと親しそうに喋っている男性。

男子シングルの韓国代表の一人イ・スンギルの事は知っている。

だけど、Aと顔見知りだったことに驚いた。


「あ、ピチット。スンギルの事知ってるでしょ？」

「うん」

「えっとね、スンギルのお父さんと私のお父さんが留学時代の友達同士で

　小さい頃からスンギルと何回か遊んだりしてたの」

「へえ、じゃあ幼馴染か」


Aが「スンギルも一緒にご飯行く？」と提案をした時だった。

他の国の女性選手がスンギルに気づき、近寄ってくる。

「スンギル。これから何人かでご飯行くんだけど貴方も来ない？」

その提案にスンギルはすぐさま「行かない。何もメリットがないだろ」と返事した。


「あら、噂通りの冷たい人ね」

と女性選手は少し不機嫌そうに去って行った。


「スンギル。ご飯やめとく？」

しかし、Aがそう聞くと、「行く」と答えた。
　
「Aの誘いには乗るんだね」

ピチットが不思議そうに聞くと、スンギルは



「Aは特別だから」

と答えた。

「へえ、そうなんだ」

とピチットも何も気にしていなかった。


そう。この時は…




３人はピチットのファンからの教えてもらった料理店へとやってきた。

店に入り、４人用のテーブル席に案内された。

ピチットは自分の隣の椅子にAを誘導しようとしたが、

Aはスンギルの隣へと座ってしまう。

ピチットは仕方なく自分も座るが、向かいはスンギルだ。

心の中で、せめてAの向かいに座れば良かったと思った。









「二人は小さい頃どんな感じだったの？」

注文した料理が来るまでの間、僕は二人に質問をしてみた。


「どんなって…スケートとか、犬の図鑑一緒に見てたりしてたね」

「まとわりつかれて大変だった」

「え！Aが？すごく羨ましい。絶対可愛いよ」

「それはピチットだけ」



呆れた顔された。

でも絶対可愛いと思うんだよね。

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