【ユーリ!!!on ICE】マーメイドの太陽

忙しい日々の始まり ページ21

7月に入り、シーズンへと突入した。

Aとジョンはアイスショーへの参加の為、厳しい練習をこなしていた。


「A、身軽さが足りない。ジョンは相変わらず動きが乱雑。

　あとで二人ともそれぞれに作った特別メニュー3本コースね」


「鬼…」

「クソババアめ…」


「あ？」



二人はすぐに曲の最初のスタンバイへと戻った。








「かなり絞られてるみたいだな」

「そんなに大変なんだねー」


夜のリンクにAやピチットの他にケビンの姿がある。

足りないシングルの練習時間をその時間に回すことになった。


「どうも5月に出たアイスショーでそこそこ偉い人に目をつけられて誘われたのに張り切ってるみたいで。まあ、枠はちょっとしたやつのなんだけど」

「へー5月にアイスショー出たんだ。見たかった」

「俺見に行ったけどネットに動画あるぞ」

「あ、見せて見せて」

「ＯＫＯＫ。ところでチェレスティーノ元気？」

「元気元気。今勇利のコーチしてるよ」


好き勝手に喋っている男二人に溜息を吐いてAは再び練習に戻った。






Aはテレビ電話で家庭教師から授業を受けながら自分の一日の時間の割り当てを考える。


バレエレッスンは時間を増やせないがレッスン内容を相談しよう。

それとも勉強時間を減らして…いや、お母さんが激怒する。

夜のリンクの時間も伸ばすなんて迷惑はかけられないし。



忙しさはあるものの、充実していて楽しいと思った。


「頑張ろう」






そしてアイスショー当日。

Aとジョンは裏で控えていると、ピチットからメッセージが届いてることに気づいた。


【楽しみにしてるね！】

ＳＮＳを開いてみれば、ピチットと勇利がアイスショーの会場の前で自撮りした写真を投稿していた。

脳内にピチットの笑顔を思い出し、緊張がほぐれた。



結果から言ってAとジョンの出番は成功に終わった。

周りからの評判はかなり良かったようだ。

「A、ジョン。今日のアイスショー良かったよ」

ピチットと勇利も嬉しそうにしていた。




「安心するのはまだ早いわよ。

　今回ので小さい枠だけどアイスショーの依頼が何件か来たわ

　アイスダンスの大会もあるんだからね」

「Aもシングルの大会に出て成績重ねていかないとな」


キャリーとケビンの言葉にAとジョンは苦笑いを浮かべた。



「僕全部応援に行くね！」

そう意気込むピチットにAは「やめて」と返事した。

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