【ユーリ!!!on ICE】マーメイドの太陽

二人になりまして ページ15

コーチに送ってもらいAはジョン達によって、自宅の自室へと担ぎ込まれる。

「おじさんとおばさんは？」

「お父さんは今日からイギリス…お母さんはバレエ教室の関連でいない」

ベットに下されたAはジョンの問いに力なく答える。

それを聞いてジョンはAの母親へと連絡した。



「おばさん帰るの夜中になるって。それまでいるから。

　氷枕用意するから着替えろ。ほら、体温計」

Aの母親に連絡が終わった後、３人はAの部屋から出て、

ジョンは氷枕の準備をした。


「すごく手際がいいね」

ジョンの対応に感心した勇利はそう言った。


「俺の弟や妹がまだ小さいからよく熱を出すんだ」

「へえ〜。それにしても僕達いていいのかな？」

「Aの母親には連絡したから大丈夫。

　両親共仕事でいないことがたまにあるからむしろ安心されるんだ」



氷枕を持ってAの部屋の前まで訪れる。

「入っていいか？」

「…うん」

Aの返事を聞いて中に入ると力なくベットの中に横たわっていた。

氷枕を渡し、体温計を確認する。

「結構高いな…。何か食べたいのあるか？」

「おかゆ…」

「おかゆかー…」

「あ、調べれば大丈夫かも」

勇利とおかゆを作りに部屋を出て行こうとした時、ジョンは表情が暗いピチットを見た。


「ピチット」

「…あ、何？」

「Aの傍にいてやってくれ」









「くぅ〜ん…」

Aの愛犬が心配そうに鳴き、ピチットが「大丈夫だよ」と頭を撫でた。

ベットから少し離れた所に椅子を置き、ピチットは座る。

Aはというとベットの中で苦しそうにしていた。



「…ごめん」


静かな空間の中、Aの声が響く。


「え…？」

Aからの言葉にピチットは目を丸くした。


「…私ね…すごく恥ずかしかったの…

　動画、自分でも見たけど自分じゃないみたいで…

　皆にヒソヒソされたのもすごく嫌で

　…だからピチットに八つ当たりしちゃった…

　本当にごめん…」


布団で顔を隠しているがAからわずかに嗚咽が聞こえる。

ピチットはAの傍に寄り、布団に額をくっつける。


「僕も勝手に載せてごめん。

　Aが飛んだ後の笑顔がすごく可愛くて、皆に見てほしかったんだ」




Aの動画がネットで話題になった理由。

正直ジャンプは綺麗とは言い難いものだった。



しかし、動画の最後には天使のような笑顔の少女がいた。

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