子狐の心配事。 ページ5
｢桃タローついにお店開くの？｣
｢ああ、店舗はまだ資金が貯まらないから移動販売って方法でね。
鬼灯さんがアドバイスくれたんだ｣
以前から自分の店を持つことを夢に見て薬剤師の修行を積んできた桃太郎はついに本格的に店を構える方向で動いていた。
白澤の浪費癖のせいで給料も安く、なかなか貯まらなかった資金も移動販売という方法でなんとかなりそうとこのと。
｢ふーん…もしも店舗構えたら桃タローは出ていくの？｣
Aの寂しそうな言葉に桃太郎は｢あ…｣と思い出す。
独立したら極楽満月にいつまでもいられない。
店舗を構えたらそこを自宅にするつもりであった。
｢出て行くって言ってもすぐじゃないし、遊びにも来たらいいじゃないか。
Aも結婚したらここを出るだろうし｣
｢私も…｣
白澤様が一人になる。
Aの中でその考えが浮かんだ。
元々一人で暮らしていた白澤だが、しばらく3人での生活が続いていた為
急に一人になったら生活できるのか、寂しくないのかと思ってしまう。
突然一人になるなんて寂しがり屋のAの立場からしたらとても辛い。
｢そうだよね。行ってきます｣
少し元気がなくなったAを心配しつつも桃太郎は仕事へと行く後ろ姿を見送った。
｢でね、檎ちゃんはどう思う？｣
｢何でワシに聞くんかのぉ｣
仕事帰り、衆合地獄のヤカンカンの前の椅子に座り、煙管をふかす檎の元へと訪れ相談をしたのだ。
｢第一そっちの婚約者…は白澤の旦那の話題地雷じゃったな｣
｢白澤様が原因で結婚渋ってるなんて知ったら鬼灯様、白澤様を消しに行きそうで｣
｢うーむ。あの人ならやりかねん｣
煙管からプカプカと出てくる煙は宙へと舞う。
檎は口を離して煙を吐いた。
｢ミキちゃんもそうじゃがなんで皆ワシの所に来るんか｣
｢檎ちゃん面倒見良かったりするからだよ｣
二人は行き交う住人達を眺めていた。
｢というか、あの旦那なんだかんだ女連れ込んだりしてエンジョイしそうだけどのう｣
｢でも生活能力はダメ人間だからちゃんとした暮らしをするのか心配で｣
｢まあ、お嬢もすぐに結婚するわけじゃなかろう。
婚約して何年か経っとるし｣
｢う…｣
それを言われると痛い。
確かにいまだに入籍への話は進んでいなかった。
｢まあ、今考えても仕方ないよね｣
｢そうそう。あ、そういえば紹介した金融に旦那がさっき行ってたぞ｣
｢だからお嫁に行くの不安なのよ｣
子狐、結婚報告をされます。→←子狐、幼稚園に行きます。後篇 番外編
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ポンコツ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます(*'-'*)ﾉ (2023年1月1日 20時) (
レス) @page28 id: 16f55af0f9 (このIDを非表示/違反報告)
十五(プロフ) - noche/ノーチェさん» コメントありがとうございます。神作と言っていただき光栄です。超絶スローペースですが、ぼちぼち更新していくと思います。 (2022年10月12日 0時) (レス) id: 49712e78f3 (このIDを非表示/違反報告)
十五(プロフ) - 生茶さん» コメントありがとうございます。超絶スローペースですみません…。これからもきまぐれで更新していくと思います。 (2022年10月12日 0時) (レス) id: 49712e78f3 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 最終更新から離れているため遅いかもしれませんがこの神作を作り、そして残してくれたことに感謝します。主様ありがとうございました (2022年10月1日 20時) (レス) @page28 id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
生茶 - 最高でした‼︎本当に作ってくれてありがとうございます‼︎ (2022年8月19日 20時) (レス) @page28 id: cfaaddf514 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十五
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時：2020年9月14日 5時
