子狐、幼稚園に行きます。前篇 番外編 ページ3
｢たおたろー、あそぼ｣
｢ごめんな。今忙しいんだ｣
仕事中、構ってほしいと近寄ってくるAに断りをいれるのは何度目だろうかと内心ため息をつく。
寂しそうに外に遊びに行く背中に罪悪感を感じ、
どうして子供はこうも忙しい時に限って寄ってくるのかと頭を悩ませた。
｢んーじゃあ幼稚園に通わせてみようか｣
その悩みを休憩中に薬剤師の師匠である白澤に話せば、お茶を飲みながらそう答えたのだ。
確かに仕事で構ってもらえない家にいるよりも歳の近い子達がいる環境が良いと桃太郎自身も思って
早速幼稚園を探してみることにした。
その中で地獄に配達経路で必ず通る道にある幼稚園へ問い合わせをしてみると早速お試し入園へとこぎ着ける。
｢じゃあ夕方に迎えに来るからな｣
お試し入園当日、幼稚園の教諭と手を繋ぐAの表情は不安そうで、泣かないだろうかと何度も後ろを振り返ってしまう。
閻魔殿にお泊まり出来たんだと気持ちを奮い立たせ、桃太郎は配達へと向かったのであった。
｢Aちゃん、何して遊ぶ？｣
幼稚園教諭に声をかけられたAは初めて子供だらけで遊具に溢れる環境に置かれ、
どれから遊んでいいのかと迷っていた。
｢せんせー！｣
｢はーい。好きな遊具で遊んでいいからね｣
そう声をかけて教諭は他の園児の元へと行ってしまう。
少し時間が経った時、教諭は園庭にある木の前で子供達が集まっている事に気づいた。
何をしているのかと近寄ってみると木の上に登っているAを見つけて悲鳴を上げる。
｢何してるの！？｣
｢木に登って遊んでるの｣
枝に膝裏を引っかけて逆さ吊りになるAに教諭は更に悲鳴を上げた。
｢遊んでいいのは遊具でよ！木登りは危ないから降りてきなさい！！｣
｢はーい｣と返事をしてスルスルと無事に降りてきたAに教諭は安堵の溜息を吐く。
｢すごいねー｣
とAに子供達は集まり、｢おままごとしよー｣と手を引かれて遊びへと誘われた。
｢Aちゃんは子供役ね｣
と配役の話していると数人の男の子達が走って来たのだ。
尻尾を思いっきり引っ張られたAは痛みで｢ギャンッ！｣と叫び、犯人である男の子を睨みあげる。
｢狐のくせに変化が下手くそかよ｣
耳を引っ張られそうになったAは狐へと戻り、その男の子へと体当たりをした。
体当たりをされて尻餅をついた男の子は驚いた表情を見せた後に大声で泣き出し、教諭が慌てて走ってきているのが見えた。
子狐、幼稚園に行きます。後篇 番外編→←子狐の昔の幼稚園事情です。
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ポンコツ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます(*'-'*)ﾉ (2023年1月1日 20時) (
レス) @page28 id: 16f55af0f9 (このIDを非表示/違反報告)
十五(プロフ) - noche/ノーチェさん» コメントありがとうございます。神作と言っていただき光栄です。超絶スローペースですが、ぼちぼち更新していくと思います。 (2022年10月12日 0時) (レス) id: 49712e78f3 (このIDを非表示/違反報告)
十五(プロフ) - 生茶さん» コメントありがとうございます。超絶スローペースですみません…。これからもきまぐれで更新していくと思います。 (2022年10月12日 0時) (レス) id: 49712e78f3 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 最終更新から離れているため遅いかもしれませんがこの神作を作り、そして残してくれたことに感謝します。主様ありがとうございました (2022年10月1日 20時) (レス) @page28 id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
生茶 - 最高でした‼︎本当に作ってくれてありがとうございます‼︎ (2022年8月19日 20時) (レス) @page28 id: cfaaddf514 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十五
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時：2020年9月14日 5時
