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子狐と昨日の敵はなんとやら。 ページ12

「病院行くって話を始めた時はお菓子の事怒られるって葛藤もあって、

 言うに言えなくなってどうしよって本気で困ったよ」

「マヌケすぎ。それに何その執念!」

思わず吹き出した梅子は腹を抱えて笑う。


「確かに私は学校には行ってないけど、

 周りの大人が勉強や色々な事教えてくれたし

 沢山可愛がってもらったけど、沢山叱られもした。

 桃タローも分からないなりに頑張って私の事しっかり育てようって面倒見てくれたからさ

 だから、お願い。悪く言わないで」


Aの真っ直ぐな視線に梅子は笑うのを止め、

少し黙った後に静かに語った。


「私さ、三人姉妹の末っ子なんだよね。

 姉達は皆優秀で早々に良い所にお嫁に行ってさ。

 私は一番要領も器量も良かったから親の期待が一番重くて

 何事も躓けばすぐにお姉ちゃんは〜お姉ちゃんなら〜って言われて

 両親は私の成績と周りの評判しか見てなかった。

 やっと親元離れても良い所に結婚だのなんだのうるさくてうんざり。

 そんで、ここで一人っ子で明らかに愛されて育ったんだな〜ってアンタがいてさ

 もう嫉妬の炎がメラメラ。

 ここでなかなか良い役職ついてる鬼灯様の婚約者って聞いて折角なら盗ってやろうと思ったわけ。

 まあ、でもやめた。あの人すっごく怖いんだもん」


梅子は小さく「つまり…アンタが羨ましかったの」と言った。


「でも一人っ子?だから桃タロー達がお仕事してる時はほとんど一人だったよ。

 お店忙しいとお昼ご飯もオヤツも一人で食べないといけなかったし。

 寂しくて地獄に行く時もあったけど」


「一人って事はオヤツの取り合いにならないじゃん。

 小さい時はどれが大きいだの多いだの壮絶だったんだから」


再び黙った梅子はAの方を向いて気まずそうな表情を浮かべた。


「…本当に自分がくだらなくて嫌になる。

 家族の事悪く言ってごめん」

「私も叩いてごめん。料理頑張るね。

 私貴女の事結構好きかも」







 
「それでね、いかに姉達にバレずにオヤツを多く食べる方法を思いついたわけ」

「え?何々?……それは確かに抜け目だ!」

梅子はAに耳打ちすると二人はかなり盛り上がって

楽しそうに談笑していている。


そんな光景に鬼灯とその仕事の手伝いで一緒にいた唐瓜と茄子は出くわした。

 




「女ってわからん…」

昨日の喧嘩が嘘みたいに大笑いする二人に唐瓜は顔を引きつらせていた。

子狐、男の子と遊びました。番外編→←子狐と後始末。



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(プロフ) - ネコさん» コメントありがとうございます。アニメすごく面白いですよね。漫画もオススメです。無理しないように頑張ります。 (2020年9月8日 2時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - 最近Abemaで鬼灯を見始めてからハマってます(笑)応援してます!鈴さんのペースで更新頑張ってくださいね。 (2020年9月4日 18時) (レス) id: f7821a3b7d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 櫻駄ミズキさん» コメントありがとうございます。頑張ります! (2020年9月2日 7時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
櫻駄ミズキ(プロフ) - めっちゃ好きです…!!応援してます(о´∀`о) (2020年9月1日 17時) (レス) id: 441661fb12 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - レノン・リーシュナさん» コメントありがとうございます。両作品とも拝見した事のない作品なので、検討という形にさせて頂きます。すみませんでした。 (2020年9月1日 7時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2020年7月27日 0時

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