森に眠る芸術家十*コラボ番外編* ページ14
「結局、頼まれ事ってなんですか?」
「ああ。いや、多沢さんに絵を回収してくれって頼まれましてね。
あれ、実は多沢さんの失敗作なんですよ」
「失敗作!?」
「ええ。気に入らないから処分を娘さんに頼んだら、
その娘さんが折角の作品が勿体無いと鉄製の箱に入れてその時住んでいた森に埋めて隠していたみたいで。
で、隠した娘さんも場所が分からなくなり現在になって発見され、この事が発覚しました。
それで多沢さんに失敗作を見られるのは恥ずかしいから回収してくれって頼まれたんです 」
「失敗作であんな事件が起きたなんて言えないっすね…」
「まぁ…かなり大事になってましたから、回収するの厳しいなぁって思っていたんで燃えてある意味解決です。
2階の作品はレプリカなので問題ないし。
事件の事は詳しくは説明しないつもりです 」
桃太郎はふと気になった事を聞いてみた。
「多沢さんって鬼灯さんの知り合いなんすか?」
「まあ。あの人今烏天狗警察で指名手配犯とかの似顔絵描いてるんですよ」
「植物の絵ばっかり描いてたのに…」
「あれは描くものが植物しか周りになかったからです」
Aは「あの…」と鬼灯に話しかける。
「どうして人質にとられた時に私が逃げれる策を提案したんですか?
刺されても妖怪だから怪我程度で済んだのに……」
鬼灯はAの顔に着いたすす汚れを拭った。
「桃太郎さん達も同じ気持ちですが。
例え死ななくても貴女に何かあるのが嫌だったんです」
鬼灯にそう言われ、Aの顔が真っ赤になって湯気が出てくる。
そのやり取りに白澤は「ケッ」と面白くなさそうにした。
「私も貴女を大事に思っているんですよ」
その言葉にトドメをさされたAはゆっくりと倒れて桃太郎に支えられる。
「Aさん?」
目を回すAの顔を覗き込む鬼灯に
この人…わざと言ってんのかただの加護欲なのか…
と桃太郎はAの恋に心配になったのであった。
✱おまけ✱
「宮端さん…あの世に来るのが楽しみですね。
Aさんに手を出した代償は大きいですよ」
そう語る鬼灯の顔は恐ろしく、そして楽しそうであったと閻魔大王は語った。
✱✱✱✱✱✱✱✱
やっとコラボ番外編終わりました!
ちゃんと考えたら長くなってしまった……。
お付き合い頂きありがとうございます。
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鈴(プロフ) - とーとばっくさん» 読んでいただき、ありがとうございます。自分のペースで更新頑張りたいと思います。 (2020年7月20日 15時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
とーとばっく - とても面白かったです!これからも無理のない程度に更新頑張ってください!応援してます! (2020年7月20日 6時) (レス) id: 10c7904400 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時:2020年7月2日 3時