子狐の初めての。 ページ34
その日は皆の休みが合い、一緒にご飯を食べに行っていた。
Aは双子の所に遊びに行っていない。
桃太郎達は食事をしながら仕事の話や世間話をしていると、Aの話になった。
「聞いてくれよ。ついにAにも初恋の人が出来てさ。ずっと子供だって思ってたけど小さいなりにそんな年頃かーって思って」
「マジか!相手は誰?お客さん?」
「それが鬼灯さんなんだよ」
3匹は「えー!」と声を上げて興奮する。
「ここだけの話な?Aにも内緒にしてって言われてるけど、その時の事が本当に可愛くて…」
『あのね、桃タロー…耳貸して』
『どうした?』
身長に合わせて屈んだ桃太郎の耳にAは口元を寄せ、耳と口の間を手で囲う。
『Aね、鬼灯様のお嫁さんになりたいの
白澤様や皆に内緒ね。白澤様はダメって言うから』
「ほんっっっとに可愛くて誰かに共有したくてさ
だからここだけの秘密しててくれ。Aに怒られるから」
「確かに白澤様に言えねぇよな…」
「大変なことになりそうだからな…」
話を終え、お香は「その件でAちゃん来たのよ」と微笑んだ。
「どうやったらお嫁さんになれるのー?って」
「お香姉さんにも言ってたんだね」
茄子は再び疑問に思った事を口にする。
「それって今もなのかな?」
その言葉に皆はうーんと悩む
「桃太郎的には小さい子が大人に憧れて恋する
小さい内の淡い思い出だと思ってるぜ」
「まあ、あの人をよく知ってる上で嫁になりたいなんでなかなかいないよな」
「でも初恋こじらせる人もいるんじゃない?」
そう議論する横で閻魔大王はある事を考えていた。
鬼灯に世帯を持ってほしい閻魔大王はAも彼の中の鬼灯の嫁候補としてインプットされた。
「白澤くんの所の子だからなんとなく候補には入れてなかったけど、上手くいけば…ふふふ」
「はっくしょん!」
夕食の準備をしている途中でクシャミをしたAに桃太郎は「風邪?」と聞いた。
「んー…そうなのかな」
「今日は薬膳粥だからあったまるよー」
と白澤は粥をお椀に注いでゆく。
夜、眠る前にAは今日の鬼灯の姿を思い出す。
「短髪の鬼灯様写真に収めておけば良かった」
小さく呟いた声は部屋に響いた後消えていき、
「うー」と枕に顔を埋めて唸った後、寝ようと枕元の電気を消した。
889人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼灯の冷徹」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫もん - 子狐が座敷童子に嫉妬する話、泣いてしまいました…小さい頃ってこんな感じだったなぁ…と思い出しましたw (2023年1月19日 18時) (レス) @page6 id: ab6da51256 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 褓さん» ありがとうございます。 (2020年6月16日 1時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
褓(プロフ) - いえいえ、、!鈴さんのできる範囲でゆっくり更新して下さい!気長に待ってます! (2020年6月10日 22時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 褓さん» コメントありがとうございます。留守にしていてすみません。更新頑張ります(*´∀`) (2020年6月10日 16時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
褓(プロフ) - 久しぶりに占ツク開いたらたくさん更新されてて嬉しかったです、、!!これからも更新楽しみにしてます〜!! (2020年6月10日 12時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時:2018年3月7日 0時