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子狐お別れする。中篇 ページ6

「Aちゃん、鬼灯くんの所に帰ってくるんだね。

 部屋はどうするの?同じ部屋使うの?」

桃太郎が帰った後、書類の仕事をしながら、閻魔大王は鬼灯に話しかける。


「もちろん作りますよ。閻魔大王の給料を差し引いて」

「ちょっと!」

「冗談ですよ」


冗談が冗談に聞こえない部下に閻魔大王はため息をつく。


「でも、桃太郎くん元気なかったよね。

 Aちゃんが帰るから寂しいんじゃないかな…」

「…………」









いいんだ。いいんだ。これでいいんだ。

閻魔殿なら広いし、閻魔大王も可愛がってくれるだろうし

鬼灯さんも案外面倒見がいいし、獄卒達もいい人達いるし

しょっちゅう女を連れ込んで二日酔いでグロッキーなヘボ上司がいるうちよりいいだろう。



「桃タローくん!煮詰めすぎ煮詰めすぎ!」

白澤の声に我に返った桃タローは自分が薬を作っていたことを思い出す。


「ああ!すいません!!」

「いいよ。薬草はまだあるし。これは薬膳にして晩御飯にしよう」

慌てる桃太郎を白澤は優しくなだめる。

「すいません…」


謝る桃太郎は狐の姿で昼寝をしているAを見て、俯いた。

「…………」

そんな様子を白澤は優しく見守った。









「着替えは持った?忘れ物はない?」

「うん」

「鬼灯様のいうことを聞くんだよ。食べ過ぎてお腹壊さないようにね」

「わかった」


お別れの日、桃太郎は人型のAに荷物の他におやつなどを持たせて、

色々と言い聞かせる。


「桃タローくん心配しすぎだよ」

「ううっ」

迎えに来ていた鬼灯はAを抱き上げる。


「ありがとうございました。お礼は後日振り込んでおきます」


桃太郎は優しくAの頭を撫でる。

「配達で地獄のほうに顔出したりするし、たまには遊びに来いよ」

「?」

こみ上げそうになった涙をぐっとこらえて桃太郎は鬼灯に頭を下げる。


「どうか…Aをよろしくお願いします」

「もちろんです」


そう言って鬼灯は桃太郎達を背にして歩きだした。



鬼灯に抱かれたAはどんどん離れていく極楽満月の皆、

そして寂しそうに見送る桃太郎に不安を覚える。


「ほおずきさま、わたしはいつあそこにかえるんですか?」

「帰りませんよ。貴女は今日から閻魔殿で暮らすんです」

「とおい?」

「少し遠いですね」

「あしたたおたろーにあえる?」

「毎日は無理ですよ」









「びぃやあああああああ!!!」

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moo(プロフ) - とにかく可愛くて面白かったです!銀魂コラボも最高でした! (7月30日 2時) (レス) @page50 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - しあ。さん» テンションがエグくなってしまいましたか(笑)喜んでもらえて嬉しいです。 (2018年7月22日 23時) (レス) id: 4d9d345d17 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 霊夢どうふさん» 一体どんな対応を受けるんでしょうかね(笑)タジタジしてそう (2018年7月22日 23時) (レス) id: 4d9d345d17 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 埴輪さん» 拍手をもらえるなんて!嬉しいです! (2018年7月22日 23時) (レス) id: 4d9d345d17 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 銀桜九尾さん» 銀魂人気ですね(笑)喜んでもらえて嬉しいです。 (2018年7月22日 23時) (レス) id: 4d9d345d17 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2017年12月2日 16時

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