【鬼灯の冷徹】子狐こんこん

迷子への対応がわからねえ！！その参・コラボ番外編 ページ37

「ていうか、そいつチャイナ服着てんだろ。神楽、お前の親戚じゃねぇのか？」

「私に親戚はいないヨ」


「銀さんきっとコウノトリが運んできた私との愛の結しょおおおおおおお！！」

吹っ飛ばされていた女生徒が復活し、再び銀八の手によって沈められる。

「誰かそこの教育に悪いストーカー女を掃除道具のロッカーに隠しとけ」


「ところでお名前は？」

「Aです」

「Aちゃんって言うの？自己紹介が上手ね〜」

ぐうううう…とAのお腹が鳴る。


「お腹すかせてるみたいね」

「おい。誰か持ってるお菓子とかパン与えとけ」

と銀八が言えば、


「育ち盛りの子供だし、ちゃんと栄養のある物のほうがいいわ」

と言った女生徒である妙がお重箱を取り出す。

「私が作った卵焼きよ」

と蓋を開ければ禍々しいオーラを放つものが現れる。


「それ育ち盛りどころか全人類が食べちゃいけないやつぅうううう！！」

あまりの激臭にAは毛が逆立ち、鼻をぎゅっと押さえた。


「お妙さん、俺が食べ…」

妙をストーカーする男子生徒は、妙に近づいたその瞬間に顔面に拳を受けて吹っ飛んだ。


「にしても、よく出来た付け耳でさぁ」

と沖田がAの耳を引っ張ると、


「ぎゃんっ」

とAは鳴く。


「は…？」

本物の狐の毛のような手触りと温かさに沖田は顔をしかめる。


「おいサド、テメェ小さい子いじめてんじゃねーヨ」

「あ゛？」

突如始まった神楽と沖田の大乱闘。

そんな事おかまいなしにAは次の後ろの席に座っている不良生徒高杉へと近づいていく。


「…なんだよ」

とガンつける高杉を気にせず、机の上のそろばんを触る。

「おいコラガキ！何勝手に晋助様の物を触ってるっすか！」

「まあまあ、小さい子に大人気ない。可愛らしいじゃないですか」

「ロリコンは黙ってるっす！」

高杉といつもいるまた子と武市のやり取りも気にせず、


「たおたろーが使ってるやつと同じ」

とそろばんを持ったAはそう言った。


「たおたろーって保護者かな…」

と生徒で妙の弟の新八がそう呟く。


「たお…たろー…はくたく様…」

抑えていた気持ちが溢れ、Aは涙がこぼれる。

銀八は深いため息を吐きAの近くまで行ってその小さな頭をなでた。


「本当は、ずっと不安で心細かったんだよな」

Aがぎゅっと銀八に抱きついた時だった。






どごおおおおおおおん！！


大きな音を立て、上から何かが教室の中心に落ちた。


「え…？」

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