【鬼灯の冷徹】子狐こんこん

子狐とファースト…？ ページ34

店の定休日の為、天国に出かけていたAと桃太郎。

帰り道、桃太郎の背中で眠っていたAは店の戸を開ける音で一度目を覚ます。

「あ、おかえり〜」

「お邪魔してまーす」


店には白澤と始めてみる客人が二人

金髪の美女とそのお付と思われる。


「こんちゃんお出かけどうだった？」

「今ちょっと寝てたんだから起こさないでください」

「こんちゃん最近よく眠るよね。まあ、沢山寝るのは成長するし良いこと良いこと」


Aは寝ぼけながら顔を覗き込んでくる金髪美女を見上げる。

「貴女が妲己ちゃんが言っていたAちゃんね」

「この人はレディ・リリスちゃんだよ〜」



すると、また戸が開く音が聞こえた。


「おや、まだいらしたんですか」

訪れた鬼灯はリリスの方を見てそう言った。


「お話が結構弾んじゃって」

「そうですか。あ、カメラ渡しておきましたよ」

「ありがとう」


鬼灯は眠そうに目を細めているAに気がついて、桃太郎から受け取って抱き上げる。


「何してんだよ」

「眠そうなので寝かしつけてるんですよ」

「お前だと怖くて眠れないだろ。僕がやる」


Aを巡って小声が争う鬼灯と白澤にリリスはフフフと笑う。


「この子がお嫁に行く時には大惨事ね」

と言うと、同時に振り向いた鬼灯と白澤にリリスは笑いをこらえた。


「でも、女の子だもの。いつかはお嫁に行くわよ」

リリスの言葉に「そうですよね〜…」と桃太郎もしみじみと言う。


「こんちゃんはお嫁に出さないでずっとここにいるもん！」

「あんためんどくせぇな」

「嫁に出してもいいですが、私より強い者でないとダメですね」

「それ一生お嫁に行けないやつじゃないですか」


リリスは呆れたように笑い、

「こんなの、男の子とファーストキスした日には血みどろの事件になりそうね」

「ちょっとありえそうで怖いです」



すると、話を聞いていたAは

「ファーストキスってなんですか…」

と寝ぼけながら聞く。


「ん？ファーストキスはね、唇と唇でちゅってすることよ」


「それならはくたく様としました…」

と言って再び眠りにつく。

その場がシンッと静まりかえる。


「え…僕は唇にはちゅーしたこと…」

と言いかけて、白澤はハッと思い出す。以前Aの看病で薬を飲ませる為に口移しをしたことを。



「最後に言うことはありますか。白豚」

Aを桃太郎に返した鬼灯はバキバキと骨を鳴らす。



「え、待っ…ぎゃあああああああああ」

迷子への対応がわからねえ！！その壱・コラボ番外編→←子狐岩姫に会ってみました。

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