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子狐拾いました。 ページ1

命が溢れているこの世の他にあの世というものが存在する。

あの世に行くと閻魔大王が生前の行いで天国か地獄行きか判断する。



そんな閻魔の第一補佐官である鬼神。

鬼灯は現世での視察でとある山の中を歩いていた。

草むらの中で柔らかいものが足先に当たる。

「ん?」

草むらをかき分けるとやせ細った小さな子狐が倒れていた。


「母狐は…いないようですね。

 猟師か病気、それとも別の脅威にやられてしまったのでしょうかね」

鬼灯は子狐を抱き上げる。

衰弱した子狐は虫の息でもはや鳴くどころかわずかにピクピクと動くだけ。


「ご飯がもらえないことが主な衰弱の原因みたいですね」

ついに子狐はピクリとも動かなくなった。









「ねえねえ〜割引にするから今夜僕と遊ばない?」

「え〜どうしようかな〜」


天国絶景100選に選ばれている桃源郷で漢方の店極楽満月を営む神獣の白澤は

薬を買いにきた女性客と今夜一晩過ごす為に口説こうと語りかける。


「じゃあ思い切って無りょぐえっ!!」

白澤がすべてをいい終える前に金棒が脳天から落ちてきて、その辺りが血の海になる。

料金を払ってそそくさと帰る女性客と入れ替わりに鬼灯が店の中へと入ってきた。


「突然お邪魔してすいません」

「いえ、むしろ経営を助けてもらいました」

白澤の代わりに桃源郷で弟子として漢方を勉強している桃太郎が出迎えた。


「今日はどうしたんですか?」

鬼灯は懐から布の包みを取り出して開いた。


「子狐ですか?」

「死んだので生きていた頃よりはマシなはずなんですが…
 
 まだまだ弱っていて。ご飯も食べてくれなくて困っているんです。

 腕だけは確かなんでぜひ処方してもらいたくて」


「どう考えても人に頼み事する態度じゃないよね」

白澤はイテテと頭の血を拭う。


「お前飯は何あげようとしたの」

「狐と言えば油あげでしょう」

「まだ離乳食段階の子狐だから油揚げは厳しいだろ…」

白澤は紙にさらさらとペンを走らせてそれを桃太郎へと渡す。


「桃タロー君。牛頭に乳をもらってきて。あとこのメモに書いてある薬草を」

「あ、はい」

メモを受け取った桃太郎は店の外へと出て行った。


「たとえあの世でもこの子の体力がもたなそうだから少し僕の妖力をわけるよ」

「バカがうつりませんかね」

「お前は本当に!助けたくないのかよ!!」

「いいから早くしろ白豚」

「クソ鬼!」

子狐ご飯を食べる。→



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moo(プロフ) - とにかく可愛くて面白かったです!銀魂コラボも最高でした! (7月30日 2時) (レス) @page50 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - しあ。さん» テンションがエグくなってしまいましたか(笑)喜んでもらえて嬉しいです。 (2018年7月22日 23時) (レス) id: 4d9d345d17 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 霊夢どうふさん» 一体どんな対応を受けるんでしょうかね(笑)タジタジしてそう (2018年7月22日 23時) (レス) id: 4d9d345d17 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 埴輪さん» 拍手をもらえるなんて!嬉しいです! (2018年7月22日 23時) (レス) id: 4d9d345d17 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 銀桜九尾さん» 銀魂人気ですね(笑)喜んでもらえて嬉しいです。 (2018年7月22日 23時) (レス) id: 4d9d345d17 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2017年12月2日 16時

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