お話し15 ページ15
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…15分後。
バタンッ…
「なんなんだよ、このクソでけえ熊は。」
隣りの運転席に乗り込んだあと、
後ろのくまちゃんを睨みつけるユンギさん。
あたしが小学生の頃から一緒に寝ている、
…クマのぬいぐるみのことだ。
「そっ…そんな風に言ったら可愛くないじゃないですか！その子はっ…くまちゃんです！！」
「はぁ……遠足じゃねーっつったのに」
ちゃっかり迎えに来てるユンギさんが、
ため息つきながらシートベルトを締める。
「……これだからお前とは合わなさそーなんだ、」
…ぼそっと心無いこと。
「なっ……あたしもっ…そう思ってます…！！」
「…ん、なら良いけど」
ちっ、と舌打ちしたあと
窓の外に視線を移すユンギさん。
…なにが気に食わないって言うのよ。
今日だって会社で……
知らんぷりしたくせに。
「じゃあ娘さん、お預かりします。」
家の前で嬉しそうに手を振るオンマに、
ぺこっとお辞儀してた数分前のユンギさん。
「…おい、早く乗れ。」
ちょっとカッコいいな、なんて思ってたら
鋭い視線を向けてきて。
「はぁーい…」
…こんなもんだったよなぁ、と落ち込んだ。
今も。
「ったく…何でこいつが…」
あたしの横でブツブツ文句言ってる。
「…はぁ、」
車はずんずん進んでくのに、
「行きたくない……」
あたしの心は、
…そっぽを向いている。
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作者名：ZISU
| 作成日時：2016年6月26日 1時
