あたしのジョングク。 (ページ5)

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次の日。

バフッ…

またジミンに布団をはがされて、
昨日と同じルーティーン。

ちらって見た1階の自販機には、
天の声らしき人は居なかった。

昨日ジミンにあのことを話したら、
その子にとても会いたいって興奮気味だった。

気が強いあたしを負かした、って
1人でわいわい盛り上がってて
なんかこっちが損した気分になる。

…気が強いのは分かってるけど、
別にあたしだってそんなことでキレないし、

ただ少しびっくりしたっていうのと、
ちょっと怖いって思っちゃっただけだし。

「今日俺もバイトだからさ。駅で待っててよ」

2階の踊り場で別れるとき、
ジミンがスマホをいじりながらそう言う。

「5分経っても来なかったら帰るから。じゃあね」

あたしは鞄の意味わかんないとこについてるフリンジ取りたいなーって思いながら、そう告げる。

相変わらず、って苦笑いのジミンに
これが普通でしょ、って真顔で付け足した。

ジミンは優しいけど、
あたしは普段なにもしてあげてない。

それでいいってジミンが言うから、
それでいいって自分でも言い聞かせてる。

・

バイト終わり。

駅についてから3分で、
ジミンから今着くってカトクが来た。

なんかバイトの後輩も一緒らしくて、
こっちは対応に困る。
なに話せばいいんだろうか。

…きっかり5分。

ジミンらしき人がこっちに来てるのが分かった。

その隣りにはジミンよりスラってしてる、
全身黒ずくめの男の子。

顔がマスクをしてて見えづらい。

「今日から俺の後輩なんだ～」

「へぇ」

嬉しそうにニヤニヤしてるジミンをよそに、
あたしもぺこって頭を下げてみる。

「チョンジョングクです。…こないだはどーも」

「…へ？」

ぱって顔をあげてみると、
その子がマスクをとった。

「……あ、天の声」

「ミルクティー先輩。こんばんは」

その子はまさしく、
こないだ自販機の前で会った
…あの男の子だったんだけど。