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「…はぁ」



なかなか混んでる自販機の前。


側にある売店も人がすごくて、
たぶん1年生が見学がてらにいっぱい来てる。

ジロジロ見られてる気がするけど、
こんなに目があればそりゃあそうだ。




やっと自分の番が来て、
大好きなカルピスのボタンを押す。


…どんっ、


「あっ、すみません…」

途端にぶつかってきた女の子の集団。



「……あ」


腕をたどると、あたしの指は、
隣りのミルクティーのボタンを押してた。



ミルクティー…

別に嫌いではないけど、
…今の気分じゃない。



ぱっとジミンの方を見ると、
水筒をがさごそ探してた。

まぁジミンは、好き嫌いないしな…


ちょっとムカついたから女の子達を睨もうとしたけど、
もうそんな集団は居なくなってた。



あーあ。だから女の子って嫌なんだ。
カルピスの腹だったのに。




仕方なく下に手を伸ばして、
落ちてきたミルクティーを掴む。




「ねぇ、」


でもその時、天の声。


「…それ俺にちょーだい」



…じゃなかった。




「は?…」

「いや俺、カルピス買ってから急にミルクティー飲みたくなったの」


あたしの手にあったミルクティーを奪うと、
決して頼む態度ではないような男の子の姿。

黒髪で、目は潤んでて、
…肌がお餅みたいに白い。




「……どう、ぞ」

なんかその威圧感で、やられた気がした。



「じゃあ交換ね」

ぽんって手に置かれたカルピス。


じゃ、って言うその子の目は、
なんか気力ない感じに変わってて。







スタスタ歩いていったそのあとに、
ふわってアクアっぽい香りが漂った。

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作者名:ZISU | 作成日時:2016年9月21日 21時

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