Bittersweet (ページ5)

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「うーーーーん！空気が美味しい！」

３年ぶりの日本は、なんだか澄んだ空気な気がする

いや、パリの空気が重かったのかな？

俺は実家に帰る前に、大好きな場所……浅草によることにした

浅草とパリは似ている

懐かしい抹茶の香り

軒先に並ぶ真っ赤なちょうちん

醤油が染み込んだ丸いせんべい

お土産屋さんに置いてある変なストラップ

どの店の人も、いらっしゃいと優しく声をかけてくれる

俺はこの街が好きだ

パリももちろん好きだったし、まだまだあっちでやってみたいことは沢山あった

だけどやっぱり日本もいいなぁなんて、ここに来ると思ってしまうんだ

「遅いぞ。帰国してたるんでるんじゃないのか？」

日本店の制作スタッフ顔合わせ初日。時間ぴったりに来た俺は、さっそく櫻井さんの嫌味に出向かれた

「時間通りに来たのになんでそんな事言われなくちゃいけないんですか？」

「 10分前行動は当たり前だろ」

「そんなヘン常識、日本だけですよ」

「ヘン常識じゃないし、たとえヘン常識だとしても、ここは日本だ。日本のルールに従え」

櫻井さんにきつく言い放たれて、思わず気が滅入ってしまう

「まあまあまあ！……こんにちは！君が噂の松本くんだね！イケメンだね～！」

ニコニコと笑いながら、背の高い男の人が話しかけてきた

「あっはい。松本潤です」

「俺、相葉雅紀です！松本くんのお店のデザインを担当することになったから！よろしくね！」

お日様みたいにキラキラ笑う相葉さんは眩しくて、俺はなんだかホッとする

「よろしくお願いします」

「無駄話は終わった？早速どの場所に店を建てるか決めないといけないから。早く車乗って」

俺のホッとした気持ちは、すぐに櫻井さんの手によって乱されることになった

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