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潤くんは、結構天然だと思う
あんな濃い顔しといて、話す内容は浅草のお守りの色が増えて嬉しいとか、そんな話ばっかだし
もう何十年もの付き合いになるけど、アプローチしてくる女の子に全然気がつかないような人だ
現に今だって、相葉さんのアプローチにも気付いてない
それをいいことに俺もそれに気づかないことにして、相葉さんに想いを寄せているんだ＿＿＿
「 こんばんは！」
洋菓子の箱にリボンを着けていると、元気な挨拶と共に相葉さんが店にやって来た
「 相葉さん、こんにちは」
店が開店してからちょくちょくやってくる相葉さんは、潤くんに会いに来てるのが丸わかりだ
相葉さんは厨房を見て、ニコニコと手を振った
「 潤くん元気？」
「 はい。お陰様でなんとかやってます」
ニコニコと答える潤くんを見て、相葉さんは嬉しそうに微笑む
「 良かった〜！今から食事とか無理かなぁ？そんな余裕無い？」
相葉さんは潤くんを熱心に誘うが、潤くんはう〜んと考える顔をした
「 あー、俺は厨房なんで無理そうなんですけど、カズは手が空いてるで良かったらカズと行ってきてください」
潤くんは相葉さんにニッコリと笑い、俺の方を�爐�膳立てしてやったぞ！�瓩噺世錣鵑个�りの顔で振り向いてきた
俺は驚いて必死で潤くんの横腹を肘でつついてきたけど、潤くんは俺のことを完全に無視してくる
「 潤くんはダメなの？」
相葉さんは食い下がるけど、潤くんはあっけからんと答える
「 すみません……代わりにカズと行ってきてください！」
「 んー、分かった…………」
渋々といった様子で言う相葉さんに、申し訳なくて顔があげられない
相葉さんは近くのうどん屋に俺を連れていった
「 松本くんって鈍いのかなあ〜。全然気づいてないよね？」
俺結構アプローチしてるよね？なんて嘆きながら相葉さんはため息をつく
「 そうですね」
そんな事言われたら、俺は貴方にアプローチすら出来ないですけどね
「 もう何度も遊びにも誘ってるのに全然来てくれないし、暇さえあれば店に顔だしてるのにな〜」
家に試作したお菓子食べに来てー！って言われた時はオレに惚れてると思ったのに……なんていう相葉さんに、真実を告げるか迷ってしまう
「 潤くん、俺の気持ちに気付かないかなぁ〜！こんなに好きなのにー！」
俺の気持ちにも気付かないかな………
こんなに好きなのに……
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作者名：サｯ子 | 作成日時：2016年5月25日 4時
