109話.中 ページ9
中「痛ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ！！！」
磔に使われている十字架から電流が流れた。
衝撃でしばらく呼吸が出来ない。
息を整えて再びロダンを睨み付けると、ロダンはその場で高笑いをしていた。
中「なに…わろてんねん…！！！」
ロ「そなた！！！面白い反応をするのぅ！！！！」
中「…う、うる…せぇ…」
肩で息をしながらそう答える。
ロ「まだわかっとらんようだな…」
ロダンがそう言った瞬間
中「あぁぁぁあぁぁぁぁ！！！」
再び体に電流が流れる。やっと終わったと思ったら再び、もう一回…幾度となく連続で電流が流れる。
終わった頃には呼吸をするのが精一杯で、もう何も考えられなくなっていた。
全身が痙攣する感覚が続いて、呼吸をするたびに変な力が入る。
ロ「やっと立ち場を理解したようだな…」
いつもなら何か言い返していそうなそのセリフも、今は頭の中をただすり抜けていくだけだ。
ロ「いいか？元国王軍のお前が、王への反抗を試みるなど万死に値する！！」
ロダンは高らかに言い放つ。
ロ「まぁだけどなぁ、俺もそなたに同情しておるんだぞぉ？子供の頃からこの王宮におるからなぁ。一時の気の迷いで外に出てしまいたくなった気持ちもまぁ、分からないわけではない。本来なら王の名に従いすぐに処刑すべきなんだが、わしにも人の心はある。一種の気の迷いで罪を犯してしまったそなたに情けもかけずにころしてしまうのは気がひけるのじゃ…だから…」
中「だ…から…？」
口がやっと開くようになったけど、ガクガクしていてうまく呂律が回らない。
ロ「仲間が助けに来るって言っておったなぁ。それまで、待ってやろうじゃないか。」
中「ほん…まに…？」
ロ「といっても…表立ってわしがそなたを助けたことがバレたらわしの身も危ないからのう…ここでゲームをしようじゃないか…」
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作者名：そら | 作成日時：2019年5月8日 18時
