for now and forever3 (ページ34)

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134話.桐ページ34

長老「しかし問題はここからじゃ…。ここまでは持たせると決めた期限が来ると、これまで使用した体力の何倍もの負荷が体にかかるのじゃ。じゃから、体力を使いすぎると期限が来た後に命を落とすやつもおるのじゃ…正真正銘、命がけの力じゃ」

桐「命がけの力…なんで…そんな力…」

長老「そなたを守ろうとしたんじゃよ。本当に、優しくて強い子じゃ…」

そういって、長老は淳太くんの髪をサラサラと優しく撫でた。

淳太くんの顔からはあの日のようなしんどさは消えて、今は安らかな顔ですやすやと眠っている。

長老「家におっても心配なだけじゃろ？この子が目ぇ覚ますまでうちで看病しようと思うんじゃがどうかの？」

桐父「ほんまですか…助かりますわ。うちにおってももう心配で心配で…」

長老「ええじゃろ。この子はしばらくうちで預かる。それからそこのお主。」

そう言って、長老は心配で心配で仕方なくって淳太くんをじっと見つめる俺の顔を覗き込んだ。

長老「お主も一緒におるか？」

その言葉におれは全力で頷く。

おとんは淳太くんを奥の間のベッドまで抱えて運び、彼のサラサラの髪を優しく撫でると、出て行った。

それから数日経った頃。淳太くんはやっと目覚めた。

中「そっか、そんなにねとったか。おれ。」

俺が淳太くんが倒れた後の一部始終を話すと、淳太くんは苦笑いを浮かべながら聞いていた。

長老「おお、やっと目覚めたか…気分はどうじゃ？」

中「おかげさまでだいぶ。」

長老「そか、それは良かった。それにしてもお主、随分寝とったのう…一歩間違えれば危険じゃったんじゃぞ？お主も、分かっとった上で使ったんじゃろ？」

中「………。」

淳太くんは何も言わずに俯く。

長老「今回は仕方がなかったとはいえ、命を落としたくなければ、もう二度と使うでないぞ。」

中「…はい。」

あの時から今まで、俺は淳太くんが自分の意思でこの力を使った所を見たことがない。

俺のいない時に、軍の命令で数回使わせられたと言うが、戻ってきた後の淳太くんは毎回、それはそれは酷い状態だった。

桐「もう見たくないねん…淳太くんがあんなんなるの…」

淳太くんの手を握りしめて俺は願った。

桐「頼む、頼むからやめてくれ。」