for now and forever3 (ページ29)

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129話.桐ページ29

中「いや…いやや…」

淳太くんが埋めた顔を必死に上げる。

虚ろな目はどこか行き、縋るように目を見開いている。

濱「淳太…気持ちは分かるけど、早よちゃんとした手当せんとあかんで…それに、こんな状態じゃ戦えんやろ。」

淳太くんの瞳が再び涙に溢れ、照史もなんか言うてという風にこっちを見てくる。

俺やって淳太くんの気持ちは分かるねん…

やけど、どう考えたってこれ以上淳太くんを連れて行く訳には行かへん。

淳太くんも分かってるんちゃうの？

何も言わない俺をみて、淳太くんはもういいと言う風に目を背けた。

そして、大きく深呼吸すると、右の拳を黄色に染め上げて高く掲げる。

濱「…な、なにしとるん！？」

フォースでエネルギー消耗が激しいのか、淳太くんの呼吸が再び荒くなってくる。

桐「ちょ…淳太くんやめれ…」

とっさに淳太くんの手を抑えようとしたとき、彼が何をしようとしているのか、分かった。

桐「まさか…」

慌てて濱ちゃんの方を見ると、濱ちゃんも気づいたようで、目を大きく見開いてこっちを見る。

濱「…おい淳太、それだけはホンマにやめろ。」

慌てて淳太くんの右手を押さえつける。

桐「淳太くん、それだけは絶対アカン。ホンマにやめて。今度こそ死んでまうで？」

中「はなせや…」

淳太くんは腕を抑えているオレを思いっきり睨みつける。

濱「淳太やめとけ。死にたいんか？」

中「…どうでもええよ…そんなこと…」

淳太くんの目は真っ赤に充血した目を背けた。

重「…な、なぁ、死んでまうってどういうこと？」

他の3人も不安げな目でこちらを見ている。

あぁ、そっか、こいつら知らんかったよな。淳太くんのもう一つの能力を。