102話.神 ページ2
目を開けるとそこは、あの大理石の広場だった。
俺と淳太が初めて会って、そして、戦った場所。
あの頃淳太は俺の敵で、全然歯ぁ立たんかったなぁ…
まさかその淳太と今こうして組んでここに立ってるとは…
淳太の方を見ると、淳太も同じことを考えているのか、俺を見て嬉しそうに微笑んだ。
中「ほら神ちゃん、今は潜入中なんやから、気い引き締めなあかんで？」
神「あ、ほんまやね…」
大理石の扉がガチャリと開いて1人の兵士が入ってくる。
途端に、俺と淳太に張り詰めた空気が漂う。
しかし兵士は俺らには目もくれず足早に過ぎ去っていった。
あぁ良かった…
透明バリアを張ってるから、気づかれるわけあらへんのに、やっぱり緊張してまう。怖い。
淳太と繋いでいる手もいつのまにか手汗でビショビショだ。
神「それじゃ、すすもうか…」
中「おん。」
淳太と2人で大理石の広場の向こうにある階段を登る。
ここから先は、淳太だけが入ったことがある場所だ。
大理石の階段を登りきると、大きな大理石のドアがずっしりと構えている。
重い扉を音がしないように慎重に開けて中に入ると、ふかふかの赤いカーペットの敷いてある廊下が続いていた。
両脇には高級そうな木製のドアがいくつもある。
よく見ると木製のドアには一つ一つ金のプレートが付けらて、
「Veteran」「Kin Kan」…
色んな名前が刻まれている。
中「チームの部屋や。それなりに力のある奴はチーム名が与えられて、チームとして活動するんや」
淳太はずんずん進むと、一つのドアの前で立ち止まった。
ドアには「B.A.D.」と書かれた金のプレートが掛けられている。
中「俺らが住んでた場所や」
そういうと淳太は懐かしそうにその金のプレートを撫でた。
神「中に入らんでええの…？」
そういうと淳太は少しだけ微笑んで、
中「ええんや。どっちかっていうと辛い思い出のが多かったし…それに、今日はそれをしにきた訳やあらへんからな。ほら、誰か来たで…？」
じっと身をひそめると、黒いマントを着た2人の人物が前方の木製のドアから外に出てきた。
？「それにしてもB.A.D.とボギー様が裏切ったってホンマか？」
？「しっ、声がデカイ。機密事項なんやから、俺らが知っとることバレたらころされてまうで？？」
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作者名：そら | 作成日時：2019年5月8日 18時
