【3104 Birthday Box】 1126 BD 2015 (ページ46)

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「だから、オンボロは余計だって」

櫻井が大野の腕を捕らえ、引き寄せる。

少しだけ抵抗した身体の動きを封じて

…唇に封をする。

「…な、んだよ。いきなり」

「構って欲しいから、絡むんでしょ？」

「は？ちが…」

もう一度、今度はもっと深く。

力の抜けた身体に、櫻井がＴシャツの裾から素肌に手を伸ばした。

「…あ…ちょ…ま…しょぉ…」

「ん？」

「…はなび」

耳を澄ますと、窓の遠くからポンポンと何かが爆ぜるような音がする。

「ああ…夏だからね」

「…つまんね」

「何が？」

「翔くんが」

「…失礼な」

どこかで聞いたようなやり取り。

「翔くん、俺、今日はシない」

腕の隙間から、外の見えない窓を見つめた。

「どうして？」

「夏だからね」

「…はぁ…」

ほら、翔くんは、この部屋のこと以外なら何でも言うことを聞いてくれる。

大野は自分の真横に仰向けに寝転がった櫻井の手を探し、握った。

気づいた櫻井が強く握り返してくる。

その確かな重みに満たされながら、大野は目を閉じた。

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今夜は２人

この閉ざされた空間に、埋もれよう。

オワリ

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