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梅雨明けはとっくにしていたが、天気は微妙で、多分例年よりはずっと涼しい。
だがエアコンというものが存在しない櫻井のこの部屋は、快適とは言い難かった。
「翔くん…ここ暑い」
「夏だからね」
当たり前のことを当たり前のようにしか言わない。
いや、言えない。
「つまんね」
「何が？」
「翔くんが」
「失礼な」
「ばぁか」
「バカって言ったら、自分がバカでしょ」
「ばぁか。ばかしょー」
バカと言われても意に介さない櫻井が
ごろりと大野の隣に身を横たえた。
「ばかしょー、ひっつくなって。暑苦しい」
「キャパシティの問題でしょう？しょうがないじゃない」
「きゃぱしてぃ。このオンボロ部屋にきゃぱしてぃって」
大野は笑う。
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作者名：ありはる
| 作成日時：2015年11月12日 22時
