【3104 Birthday Box】 1126 BD 2015 (ページ13)

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「離せ」

「離したら、大野さん戻っちゃうんでしょ？」

大野は全身で身体を捻ろうとするが、二宮はそれを許さず、あろうことか足まで絡めて大野を逃すまいとする。

「おま…ちょっと。気持ち悪いって」

「何が気持ち悪いのよ」

「んなのわかれよっ」

「昨日は気持ちいいって言ってたじゃないの」

言った瞬間、二宮も失言だったと気づいたのだろう。

大野を固定しようとする手足が動きを失う。

しかし、大野の方も動けずにいた。

気持ちいいって？

言ったか？

…言ったかも。

多分言った。

確かに…言った…

もわっと頭で再現されそうになる記憶を大野は必死に仕舞い込もうとするが、それは無駄なあがきだった。

「だって…」

口を動かそうとするが、言葉がひっかかって出てこない。

「だって」

「…そりゃ、ね、男なんだから、触られたら気持ちいいのは当たり前、でしょ？」

…わかってんじゃねえかよ。

「じゃあ、問題ないじゃないの」

そう、問題はな…あるわっ！！

危うく二宮に乗せられるところだった。

いつもならありえない。

「何でこうなったんだっけ？」

大野は逃げるのを止めた。

逃げたらきっと、もう二宮とは親友ではなくなる。

二宮は大丈夫でも、自分は無理だ。

だったらケリをつけなきゃしょうがない。

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