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#3 ページ3

「かーずーくん。」

私の存在に気付いたのだろうか、鼻歌をやめたようで体の揺りをとめた

「点滴の時間までにはお部屋戻りなさいって言ってたでしょー。先生怒っちゃうよ」

怒ったふりをして腰に手を当ててプリプリさせると

「わあせんせい、ごめんなさい」

そうやっていつも、わらうんだ
同じ笑顔で、笑うんだ
顔に刻まれている、貼り付けられた笑顔を一生懸命に作って笑うんだ

それに気付いてなかったわけじゃない。
声をかけようともした。
でもなにに?
どう声をかけるの?
かずくん、ほんとの顔で笑ってごらんって?
それこそ、それこそなんなんだ。
この時の僕はただ、色々とどこかに逃げ道を作って、いつでも逃げられるようにしていただけ

結局はかずくんのことなんてこれっぽっちも考えてなかったんだ

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作成日時:2013年6月23日 0時

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