裏と表。▼．K.N (ページ11)

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表。－　過去　－ページ11

男「なんだ、お前。」

声がする方を見ると、そこに立っていたのは
同じクラスの佐藤勝利くんだった。

勝利「嫌がってるじゃん。やめなよ。」

クラスでは、女子にも男子にも人気者で、見ての通り、すごく優しい。
その上、顔も良くてね。笑

男たちは、諦めてどっかいった。

「ありがとう」って言いたいんだけど、
怖くて何も言えない。
私の体はすごく震えていた。

勝利「大丈夫?って、Aじゃん!!」

どうやら、私が誰か知らないで助けていたらしい。
私だって気づいて、恥ずかしくなったのか、顔を赤くする勝利くん。

ほんと、すごいよね。

勝利「一緒に、帰ろっか。」

一言一言の優しさに、心が惹かれていた。

でもそんなときは、「勝利くんは、誰にでも優しい。」
そんな友達の言葉を唱えるように心に言い聞かせた。

結局、家まで送ってもらってしまった。

勝利「明日、学校でね。」

私は安心したのか、涙が止まらない。

「ありがとう」ってまだ言えてないし、
言わなきゃって思った。

でも、

勝利「大丈夫、俺が守るよ。」

勝利くんは、また私に優しい言葉をかけてくる。

A「なんで、なんでそんな優しくしてくれるの･･･。」

思わず、思ったことを口にしてしまった。
恥ずかしくなって下を向いていると、
いきなり体が暖かくなった。

なんと私は、勝利くんに抱きしめられていたのだ。

A「ちょ、」
私が抵抗しようとすると、

勝利「なんでって、Aが好きだからだよ。ずっと、好きだった。」

持っていた荷物がおちた。

いきなりのことに、頭が追いつかない。

勝利くんが、うちを、好き?

勝利「だから、俺と付き合って? 絶対に、守るから。」

そんなことを言われちゃったら、さすがの私だって、

A「うん。」

こう言うしかなかった。

キミはずるいよね。

うちが弱ってるときにそんなこと言ってさ。

「守るから」って、言ってさ。

もう、

好きになっちゃったじゃん。