逢いたい (ページ5)

今日:3 hit、昨日:23 hit、合計:85,482 hit

5 ページ5

.

龍太「でも、歌いたいから、踊りたいから、治療だって頑張ろうって思えるし、死ぬって決めつけたらアカンな、って。だって、死ぬなんて思ってないもん。…もしも、その時が来たら怖いなって、死にたくないな、って…思うのかもしれないけど…健康だって思ってたらいいのかなぁ…って」

文一「何で…」

龍太「だって…生きたいから。死にたくないから」

康二「るーたくん…」

龍太「いつかは…死ぬんやろうけどさ」

文一「そら…人間やからな」

龍太「まぁね」

病院

康二「んんーっ…オカンまだかなぁ…」

ﾊﾟﾀｯ…

康二「ん…？」

康二は本を拾った

康二「…＂共病文庫＂…？」

＂2016年2月28日。今日から＂共病文庫＂と名付けたこれに、日々の思いを書いていこうと思う。担当医の人以外誰にも秘密やけど。俺はあと数年で死んでしまう＂

康二「脳腫瘍…死ぬ…？」

？？「それ、俺の」

康二「ﾋﾞｸｯ!! るたくん…」

龍太「何でここに居るん？」

康二「オカンの…付き添いで…」

龍太「あ、そうなんや」

康二「おん……あ、、これ…」

龍太「ありがと」

康二「最初の方…少しだけ読んでもうた…」

龍太「あぁー…驚いたやろ？」

康二「えっ…」

龍太「…これ、担当医の人に渡された。人に言えない事とか思いがあるんやったら、この日記に記しておくといいよ、って」

康二「そうやったんや…」

龍太「もし、俺が死んだら、康二だけには、この日記見せてあげるよ」

康二「そんな…縁起でもない事言わんといてよ…」

龍太「ははwでも、ホンマに死んだら…この日記見せてあげる」

康二「…なら、見ない事願っとく…」

龍太「そうして？」

康二「…うん」

龍太「誰にも言わんといてな」

康二「分かった」

病室

龍太「はぁ…」

担当医「何ー？黄昏てる？」

龍太「…別に？…もし、俺が死んだらさぁ…この日記、ある人に渡して」

担当医「ある人？」

龍太「うん。たった一人共病文庫の事知ってる人が居るから」

担当医「いいけど…死なせないよ」

龍太「…おん」

担当医「うん。…てか今年大忙しやね」

龍太「ありがたい事にね。でも…」

担当医「倒れた時はもうすぐやと思ってさ…入院やね」

龍太「入院だけはしたくない」

担当医「何で？死ぬ可能性高くなる…」

龍太「最期まで舞台に立ちたい」

担当医「けど…」

龍太「病魔に侵されてる事くらい分かってるよ…でも最期まで立ちたい」