[文スト]素敵帽子と交際中[中原中也]

襲撃 ページ20

ーA目線ー (数週間後)

ー家のベランダにてー






「(...社会人ってのも楽じゃないね。







特に僕らみたいなのは)」









そう思い、ポケットから煙草を出す。









火を付けると、それを咥えた。









中也は少し遠い所へ出張という名の荒仕事だ。




彼はああいう異能力持ちだし有能だ。








だから出張はよくあることなんだが.....







少し引っかかるのは、出張に行くのが決まった






日からずっと目を合わせてくれず、何処か







気まずそうにしていたことだ。









...とりあえず彼が帰ってきたら、理由を聞こう。







それでいい。









首領曰く一週間もすれば帰ってくるとのこと。









「(...そういえば彼に比べて同じ立場である筈







なのに僕には出張はあまり回ってこないな。









基本荒仕事4書類.会議.作戦6。









...それもそうか。 何を今更。)」









紫煙をゆっくり吐き出すと空を眺めた。









「(...異能の無い者と有る者なら、有る者を優先的に







使った方がメリットがある。









..それに忘れたのか？









僕は彼...太宰君が開けた席に座ってなどいない、









首領が用意してくれた椅子に座らせてもらって








居るだけだ。









...太宰君が此方に帰ってこれば直ぐに切り捨て









られる。分かり切ったことだろう。)」









煙草の火を消すと、其れを棄てる。









ベランダから中に戻り、もう寝てしまおうかと









思った瞬間。









『ガンッッ！！』









痛々しい音を立てて、ドアが弾き飛ばされた。









直ぐ様拳銃を取り出し、扉に向ける。









「___いるのは酒月 Aだけか。




情報はデマではなかったらしい。





こちらとしてはラッキーだ。









わざわざ増援を呼ぶ必要もない」









「....人様の家に上がる時はインターフォンを鳴らせ









と習わなかったのか？









本当危なっかしい世の中になってしまったものだ」









「此方側の目的は君を人質として捕獲だ。

...掛かれ」









彼方側での頭だろうか、一人がそういうと








その場の数人が襲いかかって来た。









「(___だから嫌なんだ、異能力を持っていないと

なめられる)」









そう思うと、此方側も姿勢を立て直した。

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