七者択一を迫られて…（続 all） (ページ9)

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☆ ページ9

もはや抵抗する力が無くなった時に、唇が離れる。

　ymmt「あはっ、Aちゃん。顔、トロンってしてるよ？」

腕に力が込められてないから、もう逃げられるはずなのに力が上手く入らない。

　ymmt「ねぇ、この後僕の家来て続きしない？…拒否権はないけどね。」

もうダメかも…そう思った時だった。

辺り全体が明るくなる。いつの間にか映画は終わっていたらしい。

山本さんが一瞬驚いた表情をして天井を見た。

(今だ…！)

精一杯の力を振り絞って勢いよく映画の会場を飛び出した。

…はずだったんだけど、

　ymmt「はぁ…はぁ…どこ行くのAちゃん？」

山本さんは元陸上部。到底叶うはずがなく出入口のところで既に捕まっていた。

　ymmt「言ったじゃん、逃がさないよって。なんでどっかいっちゃうの？」

ギリっと腕を掴む力が強くなる。

　ymmt「どうして僕から逃げるの？僕はこんなにも愛しているのに、」

ダメだ、今の山本さんには何を言っても無駄かもしれない。

『…ちょっとオフィスに用事があったの映画の途中に思い出して、急ぎなので…』

嘘がバレバレなのは自分でも分かっている。でもこれしか思いつかなかったのだ。

　ymmt「…Aちゃんの言うことは信じるよ。だって君はいい子だから。僕に嘘はつかないよね？」

またギリギリと力が強くなる。心も腕も痛かった。

必死に頷くと安堵の表情を浮かべて腕を離した。

『あの、ホントに行かなきゃなのでこれで失礼しますね。』

行かなきゃいけないのは実質嘘ではない。今書きあげ途中のUSBデータを忘れたのだ。…まぁ明日でもいいのだが。

　ymmt「…何言ってるの？僕も一緒に行くに決まってるじゃん。」

そう言って腕をグイッと引っ張っていく。

　ymmt「ほら、行くよ！」

その顔はまたいつもの少年のような笑顔に戻っていた。

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追記

作者の都合上、少しの間連載頻度が低くなってしまいます💦

大変申し訳ございません。