えいとの白くんの日常

白くんとリハビリ…4 ページ19

…終わった。


本当に何も無く終わった。


僕の喉から音が出ることも無く。


なんで…なんでなんだよ…


なんで信ちゃんの方が辛そうなん？


佐藤｢また明日来てください。


明日は19時になってます。


今日のように裏口から来てください。


すぐにリハビリ出来るように


準備しておきます。」


村上｢ありがとうございました。」


なにもする気になれない僕を


信ちゃんは優しく手を引いて


車まで連れていってくれた。


車に乗ると信ちゃんはおもむろに


携帯を取り出して誰かに電話し始めた。


村上｢おぉ、マルか。


今リハビリ終わってん。


…まぁ最初やからな。


おん。今から連れて帰る。


しょうのケア頼むで。ほなまた。」


マルちゃんに電話してたんや…


俺もみんなと話したいな…


なんで声出えへんのやろ


村上｢しょう…着いたで。


マルもう家おんねんて。


安心して帰り。大丈夫やからな」


いつの間にか車はマンションの


駐車場に着いていた。


｢(信ちゃん、ありがとう)」


村上｢…おん。


ほなまた明日な。


雑誌のインタビューやで。」


｢(俺、行って大丈夫？)」


村上｢お前が居らへんかったら


インタビュー成り立たへんで？」


｢(喋られへんやんか…)」


村上｢アンケート類が多いねん。


せやから大丈夫や。心配すんな。」


｢(…ありがと)」


最後に頭を撫でてくれて


車から降りた。


…早く帰りたい


マルちゃんが待ってる家に。

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