トリセツ六十六 ページ21
夢主side
「何、じゃあ何でここに呼んだの？」
黒尾「Aに聞いててほしかっただけ、俺の気持ちを。Aちゃんが好きすぎて可笑しくなっちゃう〜ってゆー俺の気持ち」
「な…なにそれ」
黒尾「だから言ったろ、くだらねぇって」
確かに言った。
でも、このままだったら鉄郎は嫌な気持ちなままなんだよね。それは私も嫌だし、今まで嫌な気持ちにさせてきたのに罪悪感が募る。
でもだからといって、翔陽たちと話せなくなるのは嫌だ。じゃあどうする？
私が少ない脳味噌を使って考えてると、前にいる鉄郎が笑った。
黒尾「いいんだよ。Aが俺のこと好きでいてくれてることなんて分かってるんだからさ」
「！」
黒尾「ごめんな、わざわざ呼び出して。じゃあ、」
「やだ待って」
黒尾「っ…」
立ち上がろうとする鉄郎を後ろから思い切り抱きしめた。突然のことで固まる鉄郎。多分、びっくりしてると思う。
でもすぐに落ち着いたのか、座り直した。そして横目で私を見て微笑む。
黒尾「なーに？Aちゃん」
「私…鉄郎が嫌な気持ちになるのは嫌。でも他の人たちと話せなくなるのも嫌なの」
黒尾「…A、俺はね」
「駄目、私が話す番」
何かを言おうとした鉄郎の唇に人差し指を当てると、優しく微笑んで黙った。
私は鉄郎の首に絡みついて、耳元で話した。
「私は翔陽が好き。蛍も光太郎も京治も好き。でも、一番好きなのは鉄郎だよ。それは分かってるでしょ？」
黒尾「もちろん」
「それでも嫉妬しちゃうのはきっと、鉄郎にも翔陽たちにも同じ愛情表現してるからだよね」
黒尾「…それで？」
「翔陽たちと仲良くした分、ちゅーだってぎゅーだって鉄郎が求めるの何だってしてあげる。嫌な気持ちにさせた分、倍にして返す。
だから…それで、今まで嫌な気持ちにしてたの、ちゃらにしてくれる…？」
そう聞くと、鉄郎はこっちを向いて笑ってみせた。今、初めて見る、鉄郎の顔。嬉しいような恥ずかしいような顔してる。
黒尾「こっちおいで。ちゃんとぎゅーしよ」
鉄郎が座ったまま正面を向いて手を大きく広げた。私は迷うこと無く、移動して鉄郎の上に座ってぎゅーっと抱きしめた。
鉄郎は抱きしめ返しながら、あやすように頭を優しく撫でてくれた。
黒尾「はぁ〜Aは可愛いなぁ」
「今までごめんね、鉄郎」
黒尾「俺の方こそごめんね、ありがとう」
凄く幸せな時間だと思った。このまま時が止まればいいとも思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 573人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Kyaaaa(プロフ) - みかんさん» こちらこそありがとうございます！笑これからもよろしくお願いします！ (2020年1月3日 20時) (
レス) id: 6ff64ceebb (このIDを非表示/違反報告)
みかん - すごく面白かったです！！ありがとうございます笑 (2020年1月2日 18時) (レス) id: fd8c51e0ba (このIDを非表示/違反報告)
Kyaaaa(プロフ) - 夜月─《 *無人* 》☆さん» ありがとうございます( ´艸｀)コメントすっごい嬉しいです！これからも頑張って書きますね(^з^)-☆Chu!! (2019年3月6日 23時) (レス) id: 245f281267 (このIDを非表示/違反報告)
夜月─《 *無人* 》☆(プロフ) - いやツッキー可愛いなおい。第3体育館組の絡み本当好き…ぼっくんかっこよき…更新頑張ってください！ (2019年3月6日 21時) (レス) id: 7f57af0fb7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Kyaaaa | 作成日時：2019年3月5日 12時
