5話 ページ7
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『……マルティナ姫様は無事、でしょうか…。きっと、大丈夫……。あの勇敢なデルカダール王様のご子女だもの。大丈夫に決まっているわ…』
と、とりあえず、魔物にヤラれた傷が癒せる場所を探さないと……。
『(……たしか、ユグノア城の近くに小屋があった筈…。其処で魔物達を凌げないかな……)』
スカートの裾を破り、太腿に巻き付けて止血をする。
魔物に気づかれない様に気配を消して小屋を目指した。
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『あった……ハァハァ、此処まで歩いてくるのにも一苦労…。今日は少し休もう……』(ハァハァ
中に入り、そこら辺に落ちている布に包まりなるべく扉から離れた隅に屈み、一晩を過ごした。
窓が軋む音や扉がガタガタする音で何度か目を覚した。
『……皆……、誰でも良い、………
助けて………___』
窓から微かに見えるユグノア城は赤い炎を浮かべて一晩を立たずに滅んでしまった。
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嗚呼……___。
あの頃を思い出す。
我が祖国、バンデルフォンが滅びているあの日の事を_
目の前で両親が殺されたあの悪夢の日を__
【嗚呼………、また私から大切な物を魔物達に奪われてしまった……】
グレイグ………___、
貴方は無事ですか___?
貴方が無事ならば……、私は嬉しい。
貴方はデルカダールの希望の光__。
貴方がいればデルカダールは護られるだろう__。
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チュンチュン
外の鳥の声で目を覚ました。
昨日とは違い天気は雲一つない晴天。
傷はまだ痛む。
一生、治らないのかな……。
『取り敢えず、デルカダールに向けて歩かないと……』
私は巻いていた布を巻き直し、再び外に足を踏み入れた。
最初の目的地は船着き場。
彼処なら定期船が来る筈………。
『中間地点としてネルセンの宿屋を目指して薬草は手に入れなければ……』
私はまた皆に会う為に一歩ずつ歩き始めた。
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nebula - あの、ずっと気になってたんですけデルカダールですよ? (2017年12月2日 11時) (レス) id: 208db03ca9 (このIDを非表示/違反報告)
Rye?Bourbon(プロフ) - 7yosjB9mmDIoZsXさん» ヤバイですよね!グレイグの格好良さは!更新は掛け持ちの作品を作りながらやってますので更新は遅目だと思いますが頑張ります!! (2017年8月23日 21時) (レス) id: ea9d5904da (このIDを非表示/違反報告)
7yosjB9mmDIoZsX(プロフ) - 私もグレイグ好きです!あのギャップがなんとも…頑張って下さい! (2017年8月23日 21時) (レス) id: 40b2f40261 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Rye?Bourbon | 作成日時:2017年8月23日 18時