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26話 ページ29



「誰か……誰かっ!生きている者はおらんのか!!王よ!何処におられる!」

返事をしてもただ静寂が流れる。

「………………誰か」

すると、小さな音が近付いてきた

「………この音は……」


 


「ワンワンっ」

「…………!ルキ………!」

「…………!」

朝日が差し込んで来た。
闇の元凶を潰したのか朝日が蘇った。

 

すると、砦の奥から歌が聞こえてくる。
手作りの旗デルカダールの紋章が塗ってある。
これは確か女達が頑張って縫っていた旗だった。


 
いま 響く よろこびの歌


朝が来た 朝が来た


我らを照らす 明日への光


大鷲が 天を舞い 我らを たたえる


山河の水は 清く澄み 我らを癒やすだろう


歌え デルカダールの民よ


強き心の 太陽の民よ


歌え 歌え よろこびの歌を


 


「グレイグ……良くぞ、良くぞっやってくれた……!」

「………ッ」

「………………お前が抱き抱えてるのは、もしかしてA、なのか?」

「…………はい。今までの間、デルカダールに居たようで…
かなり、衰弱してるんです………」

「それはいかんな……。彼女をベッドへ運んでくれ。医者の者は直ちに診てやってくれ。」


俺は直ぐに彼女を抱えてベッドに運んだ。
チカラを入れれば壊れそうな体。
腕一本で抱き締められる細い体は更に細くなっていた。




微かに彼女の指が動いた。
だが、目覚める事は無い。

お前は前にこう言ったな……

【私は、イレブン様を護れるならこの命なんか惜しくない】

とな。

だから、俺も、

「イレブン。この命、今日から預けよう……」

こうして、俺はイレブンと共にロトゼタシアの光を灯すために旅をする事になった。

 


「皆の者、夜が明けたぞ!……我らの勝利だ!!」

デルカダール王の一声で皆は歓声を上げた。

太陽を取り戻した最後の砦の祝宴は一昼夜つづき山間の砦に絶え間なく喜びの歌が響いた。

 



そして、翌日イレブンと共にデルカダール王のテントに出向いていた。

「昨日はぐっすり眠れたか?」

「いえ、眠れませんでしたよ。」

「…民に眠らせて貰えなかった?ハハハッ!良い良い。それこそ平和の証。ハハハッ!」

デルカダール王も昨日までの暗さも無くなり、元気になっていた。

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nebula - あの、ずっと気になってたんですけデルカダールですよ? (2017年12月2日 11時) (レス) id: 208db03ca9 (このIDを非表示/違反報告)
Rye?Bourbon(プロフ) - 7yosjB9mmDIoZsXさん» ヤバイですよね!グレイグの格好良さは!更新は掛け持ちの作品を作りながらやってますので更新は遅目だと思いますが頑張ります!! (2017年8月23日 21時) (レス) id: ea9d5904da (このIDを非表示/違反報告)
7yosjB9mmDIoZsX(プロフ) - 私もグレイグ好きです!あのギャップがなんとも…頑張って下さい! (2017年8月23日 21時) (レス) id: 40b2f40261 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Rye?Bourbon | 作成日時:2017年8月23日 18時

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