FBIの彼との日常

2話　第一印象 ページ2

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ｼﾞｪｰﾑｽﾞ「早速だが、事情聴取しても構いませんか?」

『あ、はい……』



ｼﾞｪｰﾑｽﾞ「犯人の顔を見ましたか?少しでも良いんです。」

顔………。


『………あ、フード被ってて分からないんですけど…金髪でした。それと、顎に髭を生やしてて……それと、首にナイフで切られた跡がありました。』


ｼﾞｪｰﾑｽﾞ「傷跡か…。それは大きな情報だな…。その傷は何センチぐらいか、覚えてますか?」


『そんなには大きくなかったです。斜めに切られてたので正確には分かりませんでしたけど5センチぐらいはありました』


それから、色んな事を聞かれて答えた。
事情聴取も終わり、2人は帰っていった。


✻


『………何で、こんな事になったんだろう…。』


近道なんてしなければ良かった。

後悔ばかりしていた。寮母さんに怒られても良かったから人がいる道を正直に通れば良かった。

『………日本に帰りたい…』





留学なんてしなければ良かった。
何で、アメリカに行きたいと思ったんだろう。
犯罪が多いっていうのに…



ｼｭｳｲﾁ「………なら、日本に帰れ。」

突然、そう言われた。
さっき、部屋にいた長髪の彼だった。

ｼｭｳｲﾁ「……此処(アメリカ)が嫌なら今すぐ日本に帰れ。」





ｼｭｳｲﾁ「あんな目に遭いたくなければな……」


『……貴方には関係ありません、私は此処で勉強したいと思ったから来たんです。』


ｼｭｳｲﾁ「それが意思なら止めないが…、また危険な目に遭うなよ。」




彼は感情というものがないのか、笑顔一つも出さない。
ほぼ、無表情。

彼は部屋に置いてあった携帯を手に取り帰っていった。
何なんだ、あの人……。
心の傷を普通に傷つけるのか……？
それでも、FBI捜査官なのか……？



『………あの人なんて嫌いだ。』




最初の第一印象は“嫌な人”だった。



✻



数週間が経ち、退院することになった。
寮に帰り、皆に心配されたが、心配ないと安心させた。

もう、日本に帰ろうかと思ったがあの人を見返してやろうと意地でも此処に残ると決めた。


それから勉強を進め、大学も休まず毎日通い続けた。
努力して学年トップに辿り着いた。
これで、あの人に見返せる！
そう思った。


だが、何日経ってもすれ違いもなく過ぎていった。

『(当たり前か……、そんな簡単に会えるわけないもんね)』

諦めて、日本に帰国した。

まさか、日本で再開するとは思えなかった。

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