いち ページ2
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デスクワーク中、肺に圧迫感を感じた。
「奏さん?どうしたんですか?」
『風見か……。悪いが今日は帰る。』
「は…、え、ちょっと何でですか?!」
『………………、サボり?』
「サボらないでくださいよ!!」
『またいつかやるからさ、それじゃ』
超が付くほど心配性の風見を振り切って警察庁を出た。
『(何だろな〜…この胸の圧迫感。病院…嫌だけど行かないと流石にヤバイよな…)』
車を杯戸病院に向けて走らせた。
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『………………………は?』
「心筋梗塞ですね…。薬は一応処方しておきます。」
『心筋梗塞、?俺が?』
まず、俺は疑った。
自分が心筋梗塞なるものになってる事に…。
普通は肥満の人や煙草吸ってる人がかかる病気だとしか認識なかった。
………あ、そういや俺の父親心筋梗塞で亡くなってた。
遺伝的要因って訳か…。
『先生、コレって治るんですか?』
「今の医療技術では…難しいかと………。あなたの場合、遅くても2ヶ月ちょっとで……」
『嗚呼……、そう、ですか…。』
んじゃあ、もう俺の人生決まってるものじゃねえかよ。
取り敢えず、痛み止めの薬を処方してもらい今日は自宅に帰った。
『仕事、どうしようか。』
あっちで倒れたらもっと迷惑掛けるだろうしな…。
今の貯金額は死ぬまでは余裕で足りるだろうな…。
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『……これで、よしっと…。』
辞職届を書いて茶封筒に突っ込み上司の名前を書く。
こんな形で辞職するなんて俺って…
家を出て少し遠いポストに投函する。
辞職するって知ったらアイツ、何で辞めたんだよって質問攻めにされそうだな…。
もし、アイツがそう言ったら正直に言おう。
もうアイツには俺しか残ってないって言うのに……
カミサマって奴はどれだけアイツに不幸を振りまけてんだよ…。
『ごめんな、ゼロ。』
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作者名:Rye?Bourbon x他1人 | 作成日時:2018年4月23日 7時