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図書隊に入隊して凡そ一年10ヶ月…
私達新人にも昇任試験の季節がやってきました。
私達は今現在一等図書士、今回は図書士長を目指します。
「…で、勤務評価低いと試験資格すら取れないわけだけど笠原は大丈夫なわけ?」
「失敬な!ちゃんと上官の推薦貰ってますぅー!
あー……でも、柴崎やAや手塚は余裕なんだろうな〜」
「何言ってんの、5割も受かるんじゃない。心配ないわよ」
「うわ、イヤミか!」
『でも、今回は図書手帳丸暗記で溶ける案件だから大丈夫だよ、1000回書くつもりでやれば郁ちゃんも合格できるよ。それに、今回は郁ちゃん実技は得意でしょ?』
そう、実技は幅広く今まではカウンター作業、書架整理、書庫作業、架空のミニイベント仕切りなどなど…
そして、今回は
”子供への読み聞かせ”である。
うん、今回は郁ちゃんより彼を心配した方が良さそうかな。
・
彼とは…
「はああぁぁぁ……」
手塚である。
『そんなに溜息ばかりしてちゃ前に進めないよ』
「高宮……、お前は余裕だろうな…」
『アハハ…私も子供はそんなに好きじゃないよ?手塚と同じ。今まで子供と接した事なんてなかったし…。お互い様だよ』
まあ、郁ちゃんみたいにもうやる気で乗り過ごそう!
と、取り敢えず励ましといた。
・
そして…、
「先日行われた昇任試験筆記の結果が出た。
手塚、合格。」
「はっ!」
「高宮、合格」
『はっ!』
「笠原…………」
「…………」(ドキドキドキ
「…合格」
「いやったあぁーーーっっ!!!」
「ただし、合格ラインギリギリだぞ危うく…」
「ばぁんざぁぁぁぁぁいぃ」
「聞け!!」
「堂上教官のおかげですホントに…」
「まぁ確かにな」
またあの時の査問と同じように鬼教官に扱かれた郁ちゃん。
周りから見てた私にも堂上教官から凄いオーラが解き放っていたのが分かっていたよ(汗)
「次はいよいよ実技試験な訳だが…」
「そうですね!」
「”絵本の読み聞かせ”お前本当に分かってるのか?」
「もちろん!」
「…なら、何で、準備もせずに毎日ブラブラしている?」
「他の受験者はとっくに読む本も決まって練習に入ってる。なのにお前…」
「___子供達が楽しめれば別に読み聞かせである必要はないんですよね?
心配無用です!これが私の準備ですから!」
『…………過・保・護、ですね。』
「ホントだね。」
『大丈夫ですよ。教官も分かってるでしょ?郁ちゃん子供の相性抜群なんですから!』
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ルート - 一気に読みました!主人公と小牧教官、これからどうなるのか楽しみです!更新大変だと思いますががんばってください!! (2018年3月28日 12時) (レス) id: e7cea7fca8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りな(元Rye?Bourbon) x他1人 | 作成日時:2018年2月26日 23時