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『もうそろそろ、ですね』
部屋に備えられている時計を見ると郁ちゃんと交代の時刻が迫ってきている。
今更になってドキドキしてきた。
査問って辛い事だと思うけど……乗り越えないと……。
「高宮、そろそろ時間だ。ちゃんとICレコーダーは胸ポケットに入ってるか?」
『はい、バッチリです』
「……それじゃあ、行くぞ」
『はい。』
「高宮さん、頑張って……。応援する事しか出来ないけど…」
『いえ、応援だけでも嬉しいです。勇気が貰えました。
それじゃあ、行ってきます』
査問会が行われている第一会議室へと向かう。
道中静寂に包まれたけど…逆に安心感が湧いた。
「失礼します。十五時になりましたので笠原一士と高宮一士を交代させて頂きます。」
入り口で郁ちゃんとすれ違う。
お互い顔を見合って少し笑顔を向けた。
胸ポケットに入ってるICレコーダーが電源が入っているか確認し会議室へと入った。
「___さて、始めようか」
そう言い出したのは彦江光大副司令でもあり行政派のトップでもある。
「君は原則派を支持してますか?」
『入隊してまだ二年目ですし派閥についてあまり深く考えていません。』
「君が所属する図書特殊部隊は原則派的な思想に偏っている事が常に問題視されている。
君もその思想に教育されているという事は?」
『特別に派閥的な教育をされた覚えはありません。』
次々と言ってくる質問を応えていく。
ああ……こんなにも査問がキツイとは………。
これ、我慢できるかな………。
コンコン
「失礼します。十六時になりましたので業務に戻させて頂きます」
『(小牧、教官……っ)』
会議室を出てちゃんとICレコーダーの電源を切った。
ヘナ…
「…高宮さん?」
『ごめんなさい、腰が抜けちゃって………』
「よく頑張ったね。あ、レコーダーの電源は切った?」
『はい、ちゃんと…』
「そっか…。」
ギュウッ
『へっ、小牧、教官っ?////』
「本当にお疲れ様。まだ、続くかもしれないけど、」
『……っ』
「泣いても良いから、」
『で、でもっ…こんなんで泣いちゃうと……止まんなくなっちゃいます……』
「……それもそうだよね。じゃあ、戻ろうか」
『はいっ』
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ルート - 一気に読みました!主人公と小牧教官、これからどうなるのか楽しみです!更新大変だと思いますががんばってください!! (2018年3月28日 12時) (レス) id: e7cea7fca8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りな(元Rye?Bourbon) x他1人 | 作成日時:2018年2月26日 23時