ビターチョコデコレーション。2 (ページ1)

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期待しないように。ページ1

あ「え？」

向「ふっかさん言うとったやん。2人だけの秘密仲♡って」

いやいや、すごくめんどくさいところ聞かれてる。どうにかして誤魔化さないと…！

どうしたものかと頭をフル回転させる。

でも出てくるのは聞き間違いですとしかなくて。

あ「いや」

深「そんなキモイ声で言ってないわ」

が、そんなものは虚しく散った。

岩「それ言ったことは認めんのね」

深「あっ」

ふっかさん～～～！！！

岩「Aが怒ってんぞ笑」

向「可愛い顔が台無しやで？」

相当顔に出てしまっていたらしい。本当に嫌になる。

あ「可愛くないです！そして何も無いです！」

深「女の子が可愛くないとか言わないのぉ」

そこじゃないよ…問題は煙草がバレることだよ…

あ「もうこの人ほんとヤダ…」

深「え"っ」

向「ふっかさん振られてやんの～笑」

照さんが笑いながらまぁ落ち着いて、とふっかさんにポカリを手渡す。

照ありがとーと受けとり1口飲む彼は、骨格が綺麗で長い指も、耳から顎にかけてのラインも…なんだか素敵に思う。

ついつい目で追ってしまう辺り私、フェチだったかな…と錯覚すら起こしそう。

彼はゆっくりと飲み終わると、私に目配せして

深「Aちゃんとは"ピアスの仲"だから」

優しそうに笑って言うの。

…ピアス？

ふっかさんの左耳にある2連のピアスを見つめる。

どういうことー？と問うこーじさんにちょっと待っててと、声をかけこちらに向かうふっかさん。

2連のピアス…

あ「あ」

気づいた頃には白くて細い綺麗な指が私の髪を優しくすくって右耳にそっとかけた。

深「ほらね？」

…私の右耳には2連のピアス。

岩「おお」

向「ほんまやん！？気づかんかったわ！」

こーじさん。大丈夫。私も気づかなかった。

深「俺、バレるの嫌だったのにー」

2人にみせたあと、彼はまた優しく髪に指を絡ませて右耳を隠すように下ろす。

別にかけたままでいいのにな。なんでだろ？

岩「明日朝早いし、もう解散するか」

向「そうやねぇ。Aちゃん送ってこーか？」

あ「いえ、私車で来てるので大丈夫です！ありがとうございます」

深「じゃ俺送ってよ。こーじ♡」

向「ふっかさんはやだー」

なんでだよー俺帰れねぇーじゃんと、駄々をこねる姿を見ていると、この人本当に年上なのかと疑ってしまう。

さっき助けてくれた人とは思えない彼は、

掴めないちょっと厄介な人。