ビターチョコデコレーション。 (ページ42)

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？「えっ、でも…」

突然話しかけられて困惑しているようで、タレ目気味の瞳が揺れている。

あ「SnowManのマネージャーアシスタントの如月Aと申します。その荷物大変そうだったから…」

あ「手が空いてるので良ければと思いまして」

本当はあの場に何となく居にくかったのが本音。

何もせずに見学して帰ってお給料貰うのも変に気が引ける。

第一、SnowManさんとは一定の距離は置くべきだと思うし。

？「あ、マネアシさんなんですね！噂聞いてました。ここの事務とか雑務してます。音野ゆきです」

小動物感があって可愛い。私とは真逆な子。

私よりも断然小柄で、黒髪のポニーテルが良く似合ってる。

お洋服も女の子って感じのえりの少し大きめな白ブラウスにネイビーの膝くらいまであるタイトスカート。

メイクも、ブラウンピンクを基調としたアイシャドウでまつ毛も長いし、リップはぷるんとした薄ピンク。

黒のヒールが低めのパンプスを履いていて、それこそSnowManさんが好む系統だと思う。

年齢を聞けばどうやら同い年だったようで、すぐ打ち解けあった。

あ「こんな重いもの1人で持ってたの！？」

音「うん笑雑用さっさと終わらせたくて」

あ「良かったらまた声かけて？」

音「え、忙しいでしょ」

あ「いや、まだ仕事見学ばっかでやることほぼないから笑」

音「えー？これからじゃん！」

お互いに仕事に対して必死なところで、同年代の同期がいなかったから心細かったのかもしれない。

地下の倉庫に何年か前の事務資料を運び終わり、連絡先を交換してエレベーターで別れた。

…結構な時間空けてしまったけど、レッスン室閉まってたりしないかな…

エレベーターから降りて早足でレッスン室へ向かう。

室内はまだ明るくて誰かはいるみたい。

あ「失礼します…」

誰が残ってるかも分からないし、小声でドアをゆっくりと開ける。

？「おかえりー」

あ「えっ」

端に寄せられた長机の一番端に私の鞄が置いてあって、その隣の席にスマホ片手に座っている人影。

まさかの人物に思わず驚いてしまった。

あ「ふっかさん？仕事終わってオフですよね？」

んー？と不思議そうに首を傾げると

深「だってバク宙教えるって言ったじゃん？」

あ「いや、もうあれは…」

あれは。もういいよ。

なんて本人を前にして言える訳もなく

あ「オフまで時間貰う訳にはいかないです」

その場しのぎ。

でも、ちょっと罪悪感