ビターチョコデコレーション。 (ページ41)

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ジ「さん付けなんかムズムズするぅ」

あ「…ジェシーくん」

ジ「hi！」

本題に入るまで長い。ツッコミどころ満載…

あ「この動画誰から貰ったんですか？」

しゃがんで目線を合わせて、小さい子に尋ねるように優しく聞いてみる。

ジ「え、こーじ！」

ちょっと照れ気味に答えてるのは、よく分からないけど犯人の名が聞けたのでまぁ…良しとする。

向「ちょ」

慌てて立ち上がる"こーじ"さん。

あくまでも笑顔で。あくまでも優しい声色で。

あ「…こーじさん？」

彼の名を呼ぶ。

向「ごめんなさぁい！」

こーじさん曰く、あの時動画をこっそり撮っていたらしくそれを見返してる時にSixTONESの3人が入室。

私が田中さんを軽くあしらって出ていってしまい、田中さんが拗ねて(？)

ベタベタとSnow Man皆さんにダル絡みした時に、スマホの画面が見えてしまったらしい。

あ「なんか色々疲れました」

田「許してやってよお」

あ「はい？こーじさんには怒ってないんですよ別に」

こーじさんはえ？と目を丸くする。いや、こーじさんだけじゃなくて周りの人全員。

もう、こーじさんは不可抗力だし…私もノコノコとバク転して遊んでたのが悪いんだし。

あ「…田中さんダルいです」

田「俺ぇ！？」

なんだかんだでSixTONESさんは時間が来て帰って行き、Snow Manさんも休憩時間が終わり再びレッスンが始まる。

…あんまり珍しいことをしてると痛い目見るのかな

あ「この風貌かなぁ」

好きな格好ができるって、嬉しくて嬉しくて仕方なかったけど、

今まで働いてた時は見た目も清楚に、内面だって穏やかなフリをして。

これって周りから浮かないように私が無意識にやってたこと…？

でも、いつからか見た目は派手でも普通にやってけるって思い込んでた。

今までなんのために見た目を普通に装ってたのを忘れてしまってた。

あ「めんどくさ」

大きく流れる音楽にこの呟きはかき消され、聞いてる人なんてこの場には私以外1人たりともいない。

レッスンも終わり今日はこれで解散らしく、ウダウダと帰る準備をする人、機材を片す人、明日のスケジュールを確認する人…。

私はまだひよっ子だから、仕事もないしなんならこの人たちの段取りが何一つ分からないから黙って見つめるだけ。

暇…

ふと、開きっぱなしになったドアの隙間から大荷物を抱えて移動する同い年位の女の子が見えた。

あ「手伝いますよ」