ビターチョコデコレーション。 (ページ26)

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あ「えっと…」

これはなんて返すのが正解なんだろう。

そんな戸惑いを一蹴りで消してくれたのが照さん。

岩「ふっか、人の車の中で口説くな」

深「え、バレた？」

サラッとそういうこと言えちゃうのもジャニーズならではなのだろうか…

私にとってジャニーズは未知すぎる。

こんな時に限って夜だからちょっと混んでいていつもならもう着いてる時間でも、先はまだ遠い。

口元寂しくなってきて、煙草吸いたくなってきたし

降ろしてもらったらコンビニ入ってお酒でも買おうかな。なんて深澤さんに対する意識を逸らしていたら

深「酔っぱらいの相手してよ。Aちゃん」

頭を乗せたままそう呟かれる。

あ「お話ですか？」

深「ゲームっ」

あ「そのテンション嫌な予感しかしないんですけど」

深「俺もっと仲良くなりたいんだもーん。ラウールとか、なべばっかと喋ってたじゃん」

あ「まぁ…一方的に？」

ふは、と笑うと、肩の温もりが離れていく。

意地悪そうな顔をしてお互い向かい合う。

深「愛してる」

なんて。翻弄され続けるのもなんか悔しいじゃない？

あ「ふっかさんの顔がでかいところ、愛してる」

岩「ぶっ笑笑」

照さんとバックミラー越しで目が合ったけど、まぁすごく笑ってた。

深「急じゃん！！！なんでだよ！！！」

岩「Aの勝ちだなこれは」

あ「うわーい」

深「なんかムカつくんですけどー？！」

夜の街並みとはまた別のテンションが繰り広げられ、いつの間にかコンビニに着く。

ドアを開けて降ろしてくれる照さん。

岩「気をつけて早く帰れよ？」

あ「照さんありがとうございました！コンビニで買い物したらすぐ帰ります」

ん。よろしいと頭に大きな手がポンポンと触れる。

ちょっとラウールくんの気持ちがわかったかもしれない。

深「Aちゃんほんと夜道気をつけなね？」

あ「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ深澤さん」

深「あー！他人行儀に戻ってるじゃん！リピートアフターミーふっか！」

ノリでふっかさんって呼んだだけなんだけどな。

あ「…ふっか…さん」

深「おーけーぃ。また明日ね」

柔らかい声に。ニッコリ微笑むふっかさんに。少しドキッとしたのはきっと…気のせい。

ちょっと浮かれた足取りで、そそくさと可愛い女の子が飲むようなチューハイを買って、それを片手に家まで帰宅した。