ビターチョコデコレーション。 (ページ3)

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あ「朝だなぁ…」

二日酔いで痛む頭を抑えて朝日を眺める。

あ「二度と朝日なんて拝めないと思ってたんだけどな」

朝の５時、ベランダに出てタバコをふかす。

そこでふと思い出した。

ジャニーズがどうとか…？夢…？

少し年上のおにーさんに介抱されたのは覚えてる。

イケメンだった気がするんだけど、何処かでお見かけしたことあるような気がするんだけど…

あ「頭痛い」

思い出せない。

1本吸って、部屋に戻った。

寒すぎる。

濡れて変えたパジャマは薄手で。

ふとお酒が転がった卓上の一角に目が止まった。

あ「名刺？」

身に覚えがないな

そこに書いてあったのは…

あ「滝沢秀明…！？」

嘘だ、嘘だ嘘だ…

え、昨日のおにーさんそうだったの

タッキー？あの…副社長の？

あ「イタズラですよね…そんな」

名刺の裏には、今日の朝7時迎えに行く。との一言
。

事務所の番号の他にも電話番号まで書いてあって。

あ「夢じゃ…ない？」

時計を見れば朝5時半。

あ「何かあったら困るし…」

もしもの為だけに、身支度を済ませることにした。

事務員らしく無難なね。

女性らしさとやらを気にして無理に胸の辺りまで伸ばした髪を触りながら、ヘアアイロンをかけてストレートにしてゆく。

本当は黒髪好きじゃないのに。

世の中の大人は身なりを気にしすぎていてつまらない。

…私もそのひとりだけど。

ナチュラルメイクもそこまで得意ではない。元のつくりが良くないし。

強いて言うなら時短メイク＝ナチュラルになっただけ
。

スカートだって寒いし、ヒラヒラしていちいち動きに気をつけるのは面倒くさいし…

あ「そもそも女向いてないかも」

生まれ変わったら男の子になりたい。

というか女社会だけは遠慮したい。

時計を見上げれば６時半を過ぎる頃で、身なりだけは整ってあと30分。

あ「これで来なかったらほんとに私やばい人じゃん」

死にかけて、タッキーに助けられる夢を見たお馬鹿…。

部屋をそれとなく片付けて、拭いきれない疑いを心に渋々と感じていたその時。

間抜けなチャイム音が響いた。