ビターチョコデコレーション。 (ページ19)

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ラ「お肉～！！」

さっきまでの勢いは焼肉の方へ一直線。

美味しそうに食べてる姿を見届けて、深澤さんに目線を移す。

あ「ありがとうございます」

深「んーん！俺らとも喋ってほしーしね！」

明るくその場をまとめてしまうのは、MCをしていると言っていたからなのか

私お荷物じゃないかな？とふと過ってしまうけど、にこりと微笑む深澤さんにつられて笑顔になった。

深「いい笑顔！結構顔強ばってたから、よかった～」

あ「それ同じこと照さんにも言われました」

深「まじ？」

そんなに顔の筋肉硬かったっけ…？と思わず頬を触る。

それを聞いていたのか

佐「え、照さん！？照いつの間に仲良くなったの！」

岩「うるさい笑お前ら来るの遅いからそんとき話してたんだよ」

佐「俺もなんか呼んでほしー」

名前呼びをいじられるって何か恥ずかしい…隠れれる穴があるなら入りたい。皆さん高校生のノリなの？

の、タイミングでﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ…と電話が。

誰の？と周りを見渡すみんなを他所にそっとスマホをカバンから取り出すと

"ユウキ"の文字。

あ「タイミング…」

いいっちゃいいけど、悪いっちゃ悪い…

鳴り続けるスマホは私のだと気づいた渡辺さんが画面を少し覗いて

渡「ユウキ…くん？さん？出なくていいの？」

と問いかける。

あ「…すみません。すぐ戻りますので…」

男の子じゃないです。これは女の子なのです渡辺さん…

とも思いつつスマホ片手に個室を飛び出し、個室の並ぶ廊下の壁に体を預ける。

個室は1番奥の部屋だったので廊下のちょうど行き止まり辺り。人も来ないだろうと踏んで応答ボタンを押した。

あ「もしもし」

ユ『やっと出た～うふふ』

あ「おま…酔ってんな？」

ユ『こうノリ？で飲んじゃったぁ～寂しい独り呑みなの』

あ「電話するって独り呑みの相手して欲しいからかけるって意味だったわけー？」

違うよ～とか言うけど、酔ってる人は当てにならない。

あ「ま、タイミングは良かったかな。ちょっと部屋抜けたかったし」

ユ『何その状況～。あ、誰かにこの画面見られた？』

あ「あ～見られた。ユウキくん？さん？の電話出なくていいの？って」

ユ『ほらやっぱり、みんな性別わかんないんだあ』

あ「そだね笑」

ユ『これは良い勘違いを引き起こすぞお。じゃあ最後に…愛してる～』

あ「はいはい。愛してるよ」

ブツッと唐突に切られた電話と

個室のドアが閉まる音が同時に聞こえた。