ビターチョコデコレーション。 (ページ13)

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深「場所なんだけどね」

エレベーターを待つ間にお店の名前を聞く。

深「…ってとこなんだけど、知ってる？」

わかんなかったら迎えに行くよ。なんてリアコ炸裂だ…ジャニーズ様に迎えに来させる訳にはいかないし。

なによりも

…知ってる…っていうか割と家から近い…

あ「ああ、名前聞いたことあります。」

家の周辺だって知られると面倒くさそうだし。と

あ「大丈夫です。1人で行けます」

そう答えた。

お昼すぎに、6時に予約したと深澤さんから連絡が来て。

ここから歩いて15分程だし、お酒飲むかな…徒歩で行こうか

未成年のラウールくんがいる前で飲むのかは定かではないけど、車だと5分くらいで着く割には夜は混む。

運動不足解消の為にもやっぱり徒歩で。と心の中は決まった。

夜まで時間があるから暇だなーって思いつつ、焼肉に行く頃にはメンバーさんの前で煙草なんて吸えないし、

あ「苦いんだけどなあ」

苦いし、とても美味しいとは言えないけど口元寂しさに煙草へついつい手を伸ばしてしまう。

あ「やってけるかな」

男所帯の職場ってなかなか無いし、今までのところはむしろ女の園だったから感覚が掴めない。

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ…スマホの無機質な音が響く。

あ「昼間から誰？」

画面を見れば、"ユウキ"の文字。

…随分とご無沙汰な人が電話してきたものだ。

あ「もしもし？どした」

ユ『あ、今暇？お昼一緒に食べたい』

あ「久々の電話でそれ？笑」

ユ『今絶対タバコ吸ってるでしょ。匂い消して来てよね！』

あ「拒否権なし？笑 …うん。あそこで食べんのね？わかったすぐ行く」

随分とご無沙汰な…元カノ。

煙草の匂い嫌いだったもんね。

私は"来る者拒まず去るもの追わず"主義で。

2人で遊びに行く時は男だろうが女だろうが"デート"と私は呼ぶのだけど、

大学生の時に仲の良かったユウキがふと2人で"デート"している時に呟いた。

ユ「ねぇ、A？」

あ「ん？」

ユ「……女の子が女の子を好きっておかしいかな」

あまりにも思い詰めて言うものだから

あ「え？全然。私、恋愛感情に性別なんて関係ないって思う派だけど」

サラッと返せば驚くユウキ。

大きくてぱっちり二重の目がさらに大きく見開かれて、あぁ女の子って可愛い。守ってあげたい。なんて思ってしまった。

あ「それがどーした？」

ユ「私…Aの事が好き。恋愛感情の意味で大好き」

私たちの新たなる関係の始まりだった。