ビターチョコデコレーション。 (ページ11)

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ふっかさん。なんて勝手に呼べないから

あ「深澤さん。どうされました？」

エレベーターのボタンから手を離し、パタパタと走ってきた深澤さんに向き合う。

軽く走ってきた様子からして、何か他に手続きとか、連絡事項でもあったのだろうか。

…意外と背が高い…。

つい見上げる形になってしまう。

深「あー、ね、今日の夜空いてる？」

あ「はい？」

何を急に？仕事の話？プライベートの話？

思わず、意図が分からないという表情が出てしまったのだろう。深澤さんが

深「いや！変な意味じゃなくて！皆で夜にご飯食べに行くんだけど、親睦会って事でAちゃんもどうかなって！」

きっと年上だけど、ちょっと必死なところが可愛くて

あ「ふふ」

思わず笑ってしまった。

深澤さんも、今笑ったなぁ？！って言いながらほのぼのとした時間が流れる。

あ「皆さんもうすぐお仕事ですよね。私夜は予定空いてますので、また連絡頂きましたらそちらに向かいますよ」

深「ほんと？メンバーめっちゃ喜ぶ！また時間決まったら早めに連絡入れるわ」

あ「分かりました。皆さんにもよろしくお伝えください」

話の流れ的にこれで終わりかなと思って、

あ「お先に失礼しますね」

さっき押せなかったエレベーターのボタンに触れる。

深「…ねぇ、Aちゃん。」

あ「はい？」

深「どっかで会ったことある？」

滝沢さんの顔がよぎる。

ダメだ。せっかくのチャンスを無駄に出来ない。

あ「いいえ？…似た方でもいたんでしょうか」

ごめんなさい。今は知らないフリをさせて。