ビターチョコデコレーション。 (ページ1)

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頭空っぽページ1

この仕事は傍から向いてなかった。

言われるがままに公務員なんてお堅い職に就いて、

心がダメになってしまった。

事務職員とは言え着任初日から仕事をさせるもんだから、元々心が脆い私が壊れてしまった。

…せっかく親にもバレないように平凡な当たり障りのない『私』を演じてきたのに。

できないことをできないと言えない私は、1人にのしかかるプレッシャーから逃げたくて。逃げたくて。

自らこの世界とおさらばする事を決めた。

とりあえず酔いに任せることが私にとって、敏感すぎる私にとって…いいことに違いなかった。

あ「めっちゃ強いお酒カゴに詰めよう」

仕事にやる気すら失っていて、上の空の私は今日の分ほぼ手付かず。

…の割には、もしもの失敗のために次の日年休取っちゃうあたり、性格が滲み出て嫌になる。

自分自身に苦笑いしつつも、夜のコンビニに寄った
。

定時ちょっとすぎに上がった割には、冬だからか外は暗くて寒くて。

心の隙間にも冷え込んだ空気が流れる。

コンビニは思ったより人が居なくて静かだ。

強そうな大きなアルミ缶のお酒5本にアテを少し。

一人暮らしの22歳にしてなんとも寂しい内容だろうか。

あ「あとたばこ」

いつだったか、あんなに嫌っていた煙草すらストレス発散に吸うようになってしまったのは。

会計を済ませて外に出る。

あ「あぁ…やな大人」

こんな大人になるつもり無かったのにね。

なんて言葉は煙草の煙と一緒に誰にも救われることなく消えてゆく。

5階建てのハイツで、最上階の角部屋。

海まで見えちゃってさ、

そこそこいい部屋で気に入っている。

ベランダに出て煙草をふかす。そしてお酒を飲む。

疲れた時のルーティーンになってしまっていた。

大人の努力の結晶とも言える綺麗な夜景を眺めつつ、煙草の苦味をお酒でただひたすら流し込んだ。

５本飲んだというのに何処と無く意識が冴えていて。

あ「予想外過ぎるわ」

こんなにお酒強かったっけ。

体の体温が上がっていて薄着でも外にいれる私は、物足りなくなったお酒を置いて死に場所へとさ迷うことにした。

…決めてはいたけど。