猫かぶり少女の憂鬱

私も反撃 ページ39

業「だってAちゃんガチ寝しちゃってつまんなかったんだもん」

あ「だもんじゃないってば」

皆のからかいだと分かりつつも、否定するところは否定しようと足掻いたものの

逆に火をつけてしまったようで

神「Aちゃん…これ…」

あ「えっ」

異変に気づいた有希子ちゃんがそっと知らせてくれる

クラスのLINEに例の動画と写真が杉野くんから送られている事に…

杉「ちがっ、神楽ちゃんこれ赤羽がっ」

モゴモゴ…と口を押えられつつバックハグで首を絞められる杉野くん

業「えっ？神崎さんがどうしたって???」

杉「ちょ、ま、言うなよ!?」

あからさまな妨害と、あの悪魔の笑みは杉野くんの口から聞くより明らかだった

───なら私も反撃していいよね

あ「最低…業くんも杉野くんも…」

と、有希子ちゃんに抱きついて胸に顔を埋めつつ、涙目で訴える

あ「有希子ちゃんも、さすがに業くんも杉野くんもやりすぎだと思うでしょう…？」

急に驚きつつも涙目にやられたのか

神「うーん…さすがにあの2人ともやりすぎじゃないかな…せめてLINEとかはやめた方が…」

と杉野くんの方を眉を下げて見つめる有希子ちゃん

チラリとアイコンタクトをとると、すかさずカエデが

茅「あー嫌われたんじゃないー？」

と援護射撃をする。さすが私の友達…！

杉「えっ、ちょっ、そんな…う…ごめんて!!」

業「…」

業くんはこの際どうでもいいや、杉野くん悪いけどここで手を引いてもらう…！

どうやら相当杉野くんの心にキたらしく、しばらく呆然としていた

騒ぎが落ち着いた頃、自席に座って残り数分の間に降りる準備を始める

業「俺も最低？」

準備というか荷物は無いのかこの人は…

あ「…最低」

思ったより低い声が出たけれども、気にしない

突き放すにはいい機会であることには間違いないのだから…







茅「どう神崎さん。日程表見つかった？」

神「…ううん」

どうした…？

"日程表"の響にハッとなる

神「確かにバックの中に入れたと思ったのに…どこかでおとしたかな」

まさか、いや…試しに探り入れるか

あ「もしかして小さめのピンクの手帳だったりする…？」

神「そうなの。小さいからどこかで落としたかも」

あ「そっか…」

本人は気づいてない




『手元になにかノートを持って、中央に立つ黒髪オールバックの左の目元に傷跡がある人と、一瞬目が合った気がした』




すれ違う時にスられたな

あ「関わりたくないやつが増えたな…」

業「…」

終わり ログインすれば
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